<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東日本決勝大会最終日>

◇最終日◇4月21日◇茨城・美浦GC(15-18歳の部男子6765ヤードほかカテゴリー別、パー72)◇晴れ◇出場168人◇主催・国際ジュニアゴルフ育成協会、株式会社ビーエスフジ、特別協賛・パシフィックゴルフマネージメント

 IMGA世界ジュニア(7月9~12日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表14人が新たに決まった。

 15-18歳の部男子は、第1ラウンド首位の竹原佳吾(東京・早稲田実業高1年)が75で回り、通算3オーバー147で昨年13-14歳の部に続いて2年連続でIMGA世界ジュニア(7月9~12日、米カリフォルニア州サンディエゴ)世世界ジュニア日本代表となった。男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」出場権を獲得した。2位は1オーバー73をマークした芳崎陽紀(神奈川・法政第二高2年)が通算6オーバー150で、亥飼台(うてな、日本ウェルネス高2年)を1打抑えて2012年の9-10歳の部以来の代表を勝ち取った。

 同女子は市村杏(長野・佐久長聖高1年)佐藤杏莉(千葉・麗澤高2年)宇佐美彩華(千葉・印旛明誠高3年)が通算14オーバーで並んでプレーオフに突入。1ホール目に宇佐美が脱落して代表を逃し、4ホール目で市村が佐藤を破って1、2位となり、代表となった。

 13-14歳の部男子は吉沢己咲(群馬・藤岡北中3年)が通算6オーバーで優勝し、代表となるとともに、AbemaTVツアー「HEIWA・PGM ChallengeⅠ」出場権を獲得した。2位は通算15オーバーで並んだ平野誠一(埼玉・行田中3年)と亥飼陽(ひなた、茨城・滑川中2年)がプレーオフで代表を争い、平野が勝ち取った。

 同女子は高野愛姫(あいひ、東京・飛鳥中3年)が通算7オーバーで優勝し、初めての代表となった。3打差2位に、三明桜子(福岡・沖学園中2年)手塚彩馨(あやか、山梨・白根御勅使中2年)が並んでプレーオフとなり、三明が2年連続代表の座をつかんだ。

 先に行われた西日本決勝大会で決まった代表や、昨年の本戦シード選手とともにIMGA世界ジュニアに出場する日本代表は以下の通り。

▽15―18歳の部男子
【1位】竹原佳吾(東京・早稲田実業高1年)=147
【2位】芳崎陽紀(神奈川・法政第二高2年)=150
▽同女子
【1位】市村杏(長野・佐久長聖高1年)=158
【2位】佐藤杏莉(千葉・麗澤高2年)=158
▽13―14歳の部男子
【1位】吉沢己咲(群馬・藤岡北中3年)=150
【2位】平野誠一(埼玉・行田中3年)=159
▽同女子
【1位】高野愛姫(東京・飛鳥中3年)=151
【2位】三明桜子(福岡・沖学園中1年)=154
▽11―12歳の部男子
【1位】橋詰海斗(新潟・栖吉中1年)=157
▽同女子
【1位】小林イリス(東京・女子聖学院中1年)=152
▽9―10歳の部男子
【1位】片野貫一朗片野貫一朗(千葉・松戸東部小4年)=167
▽同女子
【1位】根田うの(北海道・大曲東小5年)=154
▽7―8歳の部男子
【1位】林田聖也(福岡・吉田小2年)=157
▽同女子
【1位】重原純奈(千葉・幸小3年)=161
※同スコアはプレーオフによる

【協会広報ライター・赤坂厚】

 

【大会雑観】

15―18歳の部男子
男子15-18代表の竹原(左)と芳崎
男子15-18代表の竹原(左)と芳崎
 15-18歳の部男子は、第1ラウンド首位の竹原佳吾(東京・早稲田実業高1年)が通算3オーバー147で逃げ切って優勝し、2年連続で世界ジュニア代表を手にした。2人目の代表争いは混戦となったが、73の好スコアで回った芳崎陽紀(神奈川・法政第二高2年)が通算6オーバー150で1打差の2位を確保し、2012年以来の世界ジュニア出場を決めた。
 竹原は「去年は第1ラウンド首位で最終日崩れたので、今年もそうならずに済んでよかったです。今日は1.5~2メートルのパーパットが5,6回入ってくれた」と振り返った。世界ジュニアに向けて「今年は有名なコース(トーリー・パインズGC)でやれるので、どれだけでできるか試してみたい」と話した。
 第2代表は混戦となり、最後は2年前の代表の亥飼台(うてな、日本ウェルネス高2年)がリードしていたが、インスタートの8、9番の上がり2ホールで連続ダブルボギーとし、1オーバー73をマークして先に上がっていた芳崎が1打逆転した。「あきらめないで攻めたのがよかった」というように、6番で2メートルのバーディーを決め、7番では3メートルのパーパットを沈めたのが、結果的に効いた。「小4の時はトーリー・パインズGCには開会式で行っただけだったので、夢のような舞台です。楽しんできたい」と、笑顔がはじけていた。
15―18歳の部女子
女子15-18代表の市村(右)と佐藤
女子15-18代表の市村(右)と佐藤
 15-18歳の部女子は、市村杏(長野・佐久長聖高1年)、佐藤杏莉(千葉・麗澤高2年)、宇佐美彩華(千葉・印旛明誠高3年)の3人が通算14オーバー158で並んでプレーオフに突入。10番と11番を繰り返すプレーオフ1ホール目に宇佐美がボギーで脱落して、市村と佐藤の世界代表が決まった。代表に決まった2ホール目から緊張の糸が切れたのか、市村、佐藤とも連続ボギーで4ホール目に。市村がパーに収めて1位となった。
 市村は「予選で1位になったときに『決勝大会では戦略的にやりたい』と言いましたが、戦略も何もなかったです」と振り返った。上位が崩れて、最終組から1組前の市村が27ホールを終えた時点でトップに。しかし、13番から3連続ダブルボギーとし、14番では池の中から打ったが失敗するなどあきらめかけた。しかし、他の選手もスコアを落とし、プレーオフの権利を得た。「地元の長野県には洋芝のゴルフ場もあるので、世界ジュニア対策をしてきたい」と話した。
 佐藤は「ホッとしました。プレーオフは初めての経験だったのですっごく緊張した。1ホール目の10番はきのうも今日もボギーにしていたんですけど、初めてパーをとれて代表になれた」と振り返った。「アプローチとパターでカバーするゴルフなので、世界ジュニアでもパーを積み重ねていきたい」と意欲を見せた。
13-14歳の部男子
男子13-14代表の吉沢(左)と平野
男子13-14代表の吉沢(左)と平野
 13-14歳の部男子は、吉沢己咲(群馬・藤岡北中3年)が通算6オーバーで優勝し、3年連続ジュニア代表となった。第1ラウンド首位でスタートし、インスタートの折り返し時点で2位に5打差をつけた。「スコア的には余裕があったのでアンダーを狙った」と、アンダーパーとはいかなかったが、最後は2位に9打差をつけた。「世界ジュニアでは去年(8位)は3位ぐらいには入れる感じでゴルフができた。今年は優勝したいです」と意気込みを見せた。
 2位争いは通算15オーバーで並んだ平野誠一(埼玉・行田中3年)と亥飼陽(ひなた、茨城・滑川中2年)のプレーオフに。3ホール目、亥飼はアプローチミスもあって2メートルほどのボギーパットを残し、バンカーに入れた平野が先にボギーで上がった後、亥飼が外して決着した。平野は「小6の時にこの大会に出て、僕も世界ジュニアに行ってみたいと思っていました。今回はまさか行けるとは思っていなかった。うれしくて、顔がにやけているって、友達に言われた」と笑った。世界ジュニアに向けては「うーん、まだ何とも…(代表に)恥ないゴルフをしたい」と、まだ実感が沸いていない様子だった。
13-14歳の部女子
女子13-14代表の高野(右)と三明
女子13-14代表の高野(右)と三明
 13-14歳の部女子は、高野愛姫(東京・飛鳥中3年)が初めて、三明桜子(福岡・沖学園中1年)が2年連続の世界代表になった。
 第1ラウンド首位の高野はインスタートの12番で大トラブル。左足下がりの難しい奥のバンカーからのショットがグリーンを越え、第4打はバンカー上のラフでスタンスが取れず左打ちをしたが「練習したことがないので」とほとんど空振りでボールは少ししか飛ばず、5オン2パットのトリプルボギーで「一気に(後続に)並んでしまった」と振り返る。そこから「攻めるしかない」と思って13番では1メートルにつけて再び抜け出し、世界ジュニア代表を射止めた。「実家から距離が離れるほど戦績が悪いんです」とちょっと心配げだったが「グリーンを外してもパーで行けるように練習したい」と話した。
 2人目の代表の三明は、通算10オーバー154で手塚彩馨(山梨・白根御勅使2年)と代表をかけたプレーオフに。手塚が3メートルのパーパットを外し、三明は「怖かったのでOKの距離だったけどマークした」というパーパットを決めた。「西日本で代表になった左奈々ちゃんと一緒に行けてよかった」と、同じコーチに習っている仲間との世界挑戦になる。「去年は気持ちで負けてしまった。今年はコースを回る時でも自分にプレッシャーをかけて、メンタルを強くするように努力したい」と、昨年8位でシード権を逃した雪辱を目指す。

 

【大会コメント】

橋詰海斗(新潟・栖吉中1年)
橋詰海斗(新潟・栖吉中1年)
◇11―12歳の部男子代表の橋詰海斗(新潟・栖吉中1年)◇
「最後はショットもパットもめちゃくちゃになって、5番から3ボギーにして厳しかった。緊張しました。外国人のパワーに圧倒されないように、世界に通湯尾するゴルフをしたい。ショットの正確さを、完ぺきにしていきたい。米国ではフロリダのジュニア大会に行ったことがあり、思ったよりコースは難しくなかった」
小林イリス(東京・女子聖学院中1年)
小林イリス(東京・女子聖学院中1年)
◇11-12歳の部女子代表の小林イリス(東京・女子聖学院中1年)◇
「うれしいです。第1ラウンドよりパターが入ったのでよかった。優勝はぎりぎりだった。7、8番でボギーにして焦っちゃった。最後9番でバーディーが取れてよかった。最後まで勝てると思っていませんでした。世界ジュニアまでにショットの精度を上げて、ショートパットを外さないように練習したい」
片野貫一朗(千葉・松戸東部小4年)
片野貫一朗(千葉・松戸東部小4年)
◇9―10歳の部男子代表の片野貫一朗(千葉・松戸東部小4年)◇
「うれしいです。今回はショートパットを外さなかった。ショートゲームもよかった。USキッズで2回米国に行ったことがあります。優勝は難しいかもしれないけど、10位以内には入りたい。行く前に、全部良くしていきたい」
根田うの(北海道・大曲東小5年)
根田うの(北海道・大曲東小5年)
◇9-10歳の部同女子代表の根田うの(北海道・大曲東小5年)◇
「昨日(72)と10打も違ったので納得いかない。昨日頑張ったから優勝できたと思う。いい日も悪い日もあるので、頑張ってよかった。北海道以外で優勝したのは初めて。世界ジュニアでは自分のベストを尽くしていい経験ができるようにしたい。必要な英語は話せるように勉強する」
林田聖也(福岡・吉田小2年)
林田聖也(福岡・吉田小2年)
◇7―8歳の部男子代表の林田聖也(福岡・吉田小2年)◇
「14番でトリプルボギーにして、ドキドキした。1番で3メートルを入れてバーディーを取った。8番でも2メートルでバーディーが取れてよかった。世界ジュニアで優勝したい。チップインは1回あったけど、アプローチがよくなかったので、練習する。」
重原純奈(千葉・幸小3年)
重原純奈(千葉・幸小3年)
◇7-8歳の部女子代表の重原純奈(千葉・幸小3年)◇
「今までで一番うれしい。最初は3、4打差あったけど逆転できた。最後は1.5メートルぐらいのバーディーパットを決めて勝てた。なかなか追いつけなくてドキドキした。世界ジュニアでは、パターをいっぱい入れて頑張る。泣かないように頑張る」