<キャロウェイ世界ジュニアゴルフ選手権>

◇初日◇7月15日◇米国サンディエゴ周辺11コース◇男女各6部門

PGM日本代表選抜大会を勝ち抜いた日本選手団(PGM日本代表)が、6部門で首位に立つ活躍を見せた。15-17歳の部女子で、永井花奈(東京・日出学園高2年)が、ボギーなしの4アンダー68をマークし、首位タイ発進した。日本女子アマ覇者の蛭田みな美(福島・学法石川高2年)は2アンダーで6位につけた。13-14歳の部男子は、杉原大河(徳島・南部中3年)が7バーディー、ボギーなしの完ぺきなゴルフで7アンダー64で回り、単独首位発進した。9-10歳の部女子では、一昨年の7-8歳の部を制した梶谷翼(岡山・総社東小5年)が5アンダーの好スコアで、6歳以下の部男子でただ一人アンダーパーの1アンダーをマークした梶谷駿(岡山・総社東小1年)とともに、姉弟で首位に立った。7-8歳の部では男子が澤田竜成(東京・第二亀戸小3年)、女子が藤代成実(埼玉・八幡小3年)がそろって1位スタート。その他の日本勢では9-10歳の部男子で柴田憲(マニラ日本人学校4年)が首位に立っている。
【協会広報ライター・赤坂厚】

【PGM日本代表初日成績】

▽15-17歳の部【男子】①イトウ、オオニシ(ともに米国)68(60)坂本将規(香川・香川西高2年)76(86)石過功一郎(兵庫・クラーク記念国際高1年)77(120)金子優将(栃木・作新学院高2年)79【女子】①永井花奈※(東京・日出学園高2年)68①ニファツォポーン(タイ)68⑥蛭田みな美(福島・学法石川高2年)70(22)畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高1年)73(27)小倉ひまわり(東京・日出学園高1年)74
▽13-14歳の部【男子】①杉原大河(徳島・南部中3年)64(21)青山晃大(愛知・笈瀬中3年)70(27)石坂友宏(神奈川・岩戸中3年)71【女子】①タバタナキット(タイ)65④石井理緒※(新潟・本丸中3年)68⑥長野未祈※(千葉・麗澤中2年)70⑫金城和歌奈(沖縄・西崎中3年)71(21)鬼塚貴理(熊本・竜南中2年)72(50)平塚新夢(宮城・住吉中3年)75
▽11-12歳の部【男子】①スミス(米国)65⑥三田真弘(岡山・京山中1年)70⑩杉浦悠太(愛知・高浜中1年)72⑰久常涼※(岡山・広野小6年)73【女子】①ノー(米国)66⑦阿部未来※(東京・東落合送小6年)72(22)平木亜莉奈(群馬・下里見小6年)76(25)望月美甫(静岡・田子浦小6年)77
▽9-10歳の部【男子】①柴田憲(マニラ日本人学校4年)55(40)大野倖(千葉・吉岡小5年)66(40)縄田領一(山口・中村小5年)66(71)清水蔵之介※(東京・八坂小3年)70【女子】①梶谷翼※(岡山・総社東小5年)51⑤飯島早織※(栃木・矢板小3年)56⑦越田泰羽(神奈川・上矢部小5年)57⑫中原碧望(宮崎・赤江小5年)59⑳川畑優菜※(千葉・佐貫小3年)61
▽7-8歳の部【男子】①澤田竜成※(東京・第二亀戸小3年)58⑨本大志(神奈川・末吉小3年)64⑭清水拳斗(埼玉・中尾小3年)65⑮矢野仁貴※(愛知・東山小2年)66【女子】①藤代成実(埼玉・八幡小3年)59⑤山本実希※(栃木・北郷小2年)65⑦西山知里(山梨・山梨大付小3年)66
▽6歳以下の部【男子】①梶谷駿(岡山・総社東小1年)53【女子】①ラウ(香港)56④大橋莉生(静岡・入野小1年)66
(※はシード選手)

【雑観】

15-17歳の部女子はトーリーパインズGC北C(6229ヤード、パー72)で行われ、永井花奈(東京・日出学園高2年)が4バーディー、ボギーなしの4アンダー68で首位に立った。「最初にバーディーが先行して、ショットもよくて、グリーンに乗って入るか入らないか、という自分の理想のゴルフが出来た」と振り返った。スタートの1番で1・5メートルのパーパットを沈めて落ち着いた。2番で1メートルにつけるバーディーで波に乗った。グリーンを外したのは3回で「簡単なところに外したので、リカバリーに成功した」という。序盤は風などもあって練習ラウンドより大きい番手で攻めて奥につくことが多かったといい「後半はずっと手前から攻めた。修正できたのがよかった」と対応力を見せた。「いいスタートだったので、これを続けること。最終日に一番いい位置にいられたら優勝を狙いたい。2、3日目は攻めるところを攻めないところのマネジメントをしっかりやりたい」と、気を引き締めた。


15-17歳の部女子で、今年の日本女子アマチャンピオンの蛭田みな美(福島・学法石川高2年)が2アンダー70で6位タイとまずまずのスタートを切った。インスタートの10番で3パット、11番で右のラフに入れて1メートルのパーパットを外す連続ボギーに「どうなっちゃうのかと思った」という。12番で1・5メートルのパーパットを入れて「ようやく軌道に乗せられた」と、最終9番パー5で第3打を30センチにつけるなど、4バーディーと立ち直った。この日が17歳の誕生日。ホテルに戻ると、PGM日本選手団を引率する国際ジュニアゴルフ育成協会と、同じ部門の出場選手、家族らからケーキが用意されていた。後輩の選手たちも食堂に集まって祝福を受け「こんなに盛大にやっていただけるとは」と、ろうそくを吹き消して感激の面持ち。チームメートの永井花奈、畑岡奈紗、小倉ひまわりとケーキのクリームを顔に塗りあったりして大はしゃぎ。サプライズの誕生パーティーでリラックスした。


13-14歳の部男子はモーガン・ランR&C(6455ヤード、パー71)で行われ、杉原大河(徳島・南部中3年)が、6度目の世界ジュニア挑戦で首位発進した。スタートの1番で右4メートルを沈めるバーディーでリズムに乗った。6番パー5では左に曲げたが木の下からうまく脱出してバーディにするなど、7バーディーの荒稼ぎで、64をたたき出した。「日本アマ乃時も調子がよくて(29位)、うまくかみ合えばいいスコアは出ると思った」と、胸を張った。練習ラウンドでも67を2度マーク。昨年は優勝争いに絡めず8位に終わったコースで、今年はリベンジを果たした。過去6回出場してすべてトップ10入りし、一昨年は1打差2位など、世界一にあと一歩と迫りながらも悔しい思いをしてきた。「明日からは今日みたいにうまくいかないかも。出来るだけスコアを出したい。(青山)晃大くんや石坂くんも迫ってくると思うので、追いつけないようにやりたい」と、気合を入れていた。


9-10歳の部女子の梶谷翼(岡山・総社東小5年)がホールインワンを達成して5アンダー51をマークし、6歳以下の部男子の弟・駿(岡山・総社東小1年)と「姉弟首位発進」した。翼がホールインワンを決めたのは10番(94ヤード)。「打ち上げだったんで、入ったかどうか分からなかった。先にグリーンの方に行っていたママたちが『キャーッ、入ったあ』って言ったんで分かった。2ヤードぐらいピンの奥に落ちてバックスピンで戻ったみたい」と、冷静に振り返った。試合では2度目だといい、主催者からホールインワンの証明書をもらった。練習ラウンドでは1回目に2アンダー、2回目は8オーバーをたたくなど、波があった。「自分の中では今日は少しはいいと思った。いいと思うことはそんなにない」と、一昨年7-8歳の部に続く2度目の優勝へ、調子は上がっている様子だ。弟の駿は、出場35人中、ただ一人アンダーパーの1アンダー53で上がり「気持ちよかった」とニコニコ。「ショットが(ピンの)近くによって、バーディーが取れた」と、4バーディー(3ボギー)に満足そうだった。


7-8歳の部男女で「世界ジュニア同級生」が首位に立った。男子は澤田竜成(東京・第二亀戸小3年)が4連続バーディーを2度記録するなど、9バーディー、4ボギーの5アンダー58をマーク、2位に1打差の首位発進した。スタート1番でボギーにしたが、2番から4連発。後半もボギーが先行したが、上がり15番から4連発。「調子よかった。気持ちよかった。おもしろかった。ショットとパターがよかった」と満面の笑顔を見せた。一昨年は6歳以下の部で優勝。2度目の世界一へ好スタートを切った。澤田と同じ年に初出場した6歳以下の部女子で2位になった藤代成実(埼玉・八幡小3年)も、2オーバー59をマークし、首位タイで初日を終えた。「ドライバー、アイアンがまっすぐ行った」と、2バーディー、4ボギー。6歳以下の部からのライバル、チャイシルプルングラン(タイ)と首位並走に「勝ちたい。明日はもっといいスコアを出す」と、2人の対決になりそうだ。


【初日コメント】

☆石井理緒(新潟・本丸中3年=13-14歳の部女子4位)
「ノーボギー(4バーディー)はよかった。最初、ドライバーが引っかかっていて林にも入ったけど、木が少ないところで助かった。去年(4位)と同じ感じでやれた。緊張もしませんでした。(同組に)日本語の分かる子がいて、日本語を教えてあげながらラウンドしました。ロングでもっとバーディーが取れるようなプレーをしたい」


☆長野未祈(千葉・麗澤中2年=13-14歳の部女子6位)
「アイアンが切れてていいです。ドラーバーも飛んでいる。あとはグリーン上だけ。5バーディー、3ボギーだったんですけど、チャンスはいっぱいあった。このショットでいければ。バーディーをいっぱい取らないといけないので、めっちゃ、パットの練習をしてきました」


☆金城和歌奈(沖縄・西崎中3年=13-14歳女子12位)
「1アンダーはいいゴルフだったと思います。練習ラウンドは全部オーバーパーだったし。ショットがけっこうついていて、入れればバーディーというチャンスが多かったんですけど。スタート時間を間違って覚えていて焦りました。雰囲気が楽しいです」


☆三田真弘(岡山・京山中1年=11-12歳の部男子6位)
前半はまあまあだったけど、後半はショットがめちゃ曲がった。(5バーディー、3ボギーに)出だしでボギーにしたんで前半はイーブンと思っていたけど、いい感じで取り戻せた。もっとバーディーを取れたと思う。マナーは日本の方がいいし、毎回ピン持たされた」


☆阿部未来 (東京・東落合小6年=11-12歳の部女子7位)
「バーディー1つだけ(最終18番)でした。4,5メートルぐらいのチャンスがけっこうあった。こういうゴルフは珍しいと思います。(昨年下の部門で優勝し)ドライバーも結構まっすぐ行ったし、距離の不安もなかった。1人で来たんで、ウエア選びとか、洗濯とか、ホテルでの方が大変です」