<キャロウェイ世界ジュニアゴルフ選手権>

◇最終日◇7月18日◇米国サンディエゴ周辺コース◇男女各2部門

15-17歳の部女子で蛭田みな美(福島・学法石川高2年)が惜しくも「世界一」を逃した。トーリーパインズGC北C(6229ヤード、パー72)で行われた最終ラウンドで、首位タイでスタートの蛭田は一時は2位に3打差をつけたが、残り3ホール連続ボギー。通算7アンダー281で、1打足りずにプレーオフに進めず3位に終わった。永井花奈(東京・日出学園高2年)は7位で、ともに最後の世界ジュニアを終えた。畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高1年)は8位で来年のシード権を獲得したが、小倉ひまわり(東京・日出学園高1年)は69と追い上げたものの14位でシード獲得はならなかった。優勝はルー・ダニエラ・ウィ(フィリピン)。蛭田と永井で組んだ団体戦は、フィリピンを1打差で下して優勝を飾った。トーリーパインズGC南C(7318ヤード、パー72)で行われた男子は、ただ一人決勝ラウンドに進んだ石過功一郎(兵庫・クラーク記念国際高1年)が通算14オーバーで40位にとどまり、優勝は通算5アンダーのライアン・ラッフェルス(オーストラリア)だった。
【協会広報ライター・赤坂厚】

【PGM日本代表最終成績】

▽15-17歳の部【男子】①ラッフェルス(オーストラリア)283(40)石過功一郎(兵庫・クラーク記念国際高1年)302【女子】①ウィ(フィリピン)280②ウォン(中国)280 ③蛭田みな美(福島・学法石川高2年)281⑥永井花奈※(東京・日出学園高2年)283⑧畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高1年)284⑭小倉ひまわり(東京・日出学園高1年)288【団体女子】①日本(蛭田、永井)564(団体男子は決勝ラウンドに進めず)
(※はシード選手)

【雑観】

15-17歳の部女子の蛭田みな美(福島・学法石川高2年)が、大きなチャンスを逃した。9アンダーの首位タイで同組のニファツォフォン(タイ)に飛距離では30ヤード近く置かれたが、「調子がいい」というフェアウエーウッドはじめ、ショットが好調で一時は10アンダーにスコアを伸ばした。相手が3パットなどで崩れ、13番を終えて3打差をつけて「世界一」が目の前に迫った。ところが、相手のボギーに合わせるように、16番で3パット、17番でアプローチミス、最終18番では1メートル強のパーパットを外して3パットと3連続ボギーにし、7アンダーでホールアウト。先に8アンダーで2人が上がっており、つかみかけた世界一がするりと逃げた。

「最後は集中力の問題。いいプレーをしていて負けたのなら悔しいとかがっくりするとかなんですけど、自分が下手だったというのに尽きます」と、むしろ淡々とこたえた。日本女子アマ覇者としての世界一挑戦は詰めを誤った。「最後は得意じゃないロングパットが残ってしまった。今後の課題。いい経験になりました」と話した。「他の選手のスコアは知らなかった」と、1打差の逆転負けを知ったホールアウト直後はショックを受けた表情だったが、チームメートに慰められ、表彰式ではトロフィーを授与されて笑顔が戻っていた。


15-17歳の部女子団体で、蛭田みな美(福島・学法石川高2年)永井花奈(東京・日出学園高2年)組が優勝を果たした。個人戦で悔しい思いをした蛭田だが「この優勝はっめちゃうれしいです」と、誕生日の関係でともに今回で最後となる世界ジュニアでいい思い出を作った。

初日首位に立ちながら昨年と同じ7位に終わった永井は「個人戦は悔しいです。バーディーは取れていたので、ボギーがなければ優勝に絡めた。ボギーになりそうなホールは分かっていたんで、パーでしのげば、今になって思います。そのときは考えられなかった」と、反省を口にした。近い将来のプロ入りを目指す。「プロで活躍できるように準備している段階。でも、日本ジュニア(8月)は勝ちたいです」と、まずはジュニア日本一を目標にする。


15-17歳の部女子に初出場した畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高1年)が、2アンダー70とスコアを伸ばし、通算4アンダー284で8位に踏みとどまり、来年のシード権を手にした。「楽しかった。いろんな選手と身振りとかで触れ合いながらやれた」を笑顔を見せた。大会直前まで好調だったショットが、現地入りしてから「なんとなく振り抜きが悪くなった」と、予選ラウンドはショットに苦しんだが、この日は2番で右のバンカーに入れながらも、第2打を2メートルにつけるバーディーが先行。最終18番パー5では第2打残り210ヤードを4Uで2オンに成功し、バーディーで締めた。「初めて来られて、シードも取れてよかった。来年までショートゲームと英語をしっかりやりたい。やっぱり話せないと」と、次の挑戦を見据えていた。


15-17歳の部男子でただ一人予選を突破した石過功一郎(兵庫・クラーク記念国際高1年)は、最終日の追い上げがならず、通算14オーバーで40位に終わった。「悔しいしかないです。練習ラウンドはよかったけど、グリーンを外さなかっただけ。本番になるとプレッシャーかどうか分かりませんが、ショットが散ってきて、思うようなゴルフができなかった」と初出場でトーリーパインズの洗礼を浴びた。

2日目に71とアンダーパーが出たが、残り3日間は77。持ち味の攻めのゴルフができなかった。張り出された成績表の前を一度は通り過ぎようとしたが「ここが始まり」と、あえて「反省ポーズ」をしてチームメートを笑わせた。「いい経験をした。朝の練習で僕なりにイメージラウンド的なやり方をしてきたんですけど。飛距離は負けなかったと思いますが、安定感がなかったんでアドバンテージにできなかった。来年も来たい」と、雪辱を誓った。


【2日目コメント】

☆金子優将(栃木・作新学院高2年=15-17歳の部男子3日目予選落ち)
「2年連続できて、コースもどう攻めたらいいか分かっていたのに。やる前は自信があったんですけど、ティーショットが思わぬところでブレてスコアを崩すホールがあって、もったいなかった。ティーショットの精度、特に3番ウッドの精度を高めないと。ティーショットというだけで自分でビビッてしまっている。ただ、3日間で3パットがなかったことと、バンカーからのセーブ率が100%だったのは自信になった」


☆坂本将規(香川・香川西高2年=15-17歳の部男子3日目予選落ち)
「男子の団体戦がなくなってすいません。外国選手のショットを見たり、いい大会でした。アプローチのうまい人は、僕がやっていることとちょっと違う。距離的にもセカンドがロングアイアンばかりになって、外すとパーセーブできないことが多かった。案外ドライバーの距離は変わらなかったけど、アイアンの番手が違った。ロングアイアンの精度を高めないとスコアがよくならない」


☆小倉ひまわり(東京・日出学園高1年=15-17歳の部女子14位)
「今までの大会で、人もスコアも一番レベルが高い。うまい先輩たちと一緒に来て、今まで経験した海外派遣とは違った、いい雰囲気で臨めました。今日も3パットを2回。パーでいいのか、バーディーを狙うのか、そのへんがあいまいになってしまったので、優勝争いに絡めない。アプローチの強化は絶対必要。ショットも上からピンを狙っていけるように練習したい」