<キャロウェイ世界ジュニアゴルフ選手権>

◇2日目◇7月16日◇米国サンディエゴ周辺11コース◇男女各6部門

第2ラウンドが行われ、6度目の世界ジュニア挑戦となる13-14歳の部男子の杉原大河(徳島・南部中3年)が、初の世界一に王手をかけた。首位でスタートしたこの日はショットとパットがかみ合わないゴルフだったが、6番でイーグルを奪うなど3アンダー69と伸ばし、通算10アンダー132で2位に2打差をつけた。9-10歳の部女子では前日首位の梶谷翼(岡山・総社東小5年)がスコアを落としたものの、通算3アンダーで首位を守った。7-8歳の部男子は、澤田竜成(東京・第二亀戸小3年)が通算7アンダーで首位をキープ。15-17歳の部女子では、初日首位の永井花奈(東京・日出学園高2年)は通算6アンダーと伸ばしたが3位に後退、日本女子アマ覇者の蛭田みな美(福島・学法石川高2年)は通算4アンダーで5位につけている。
【協会広報ライター・赤坂厚】

【PGM日本代表2日目成績】

▽15-17歳の部【男子】①オオニシ(米国)139(27)石過功一郎(兵庫・クラーク記念国際高1年)148(93)金子優将(栃木・作新学院高2年)155(114)坂本将規(香川・香川西高2年)157【女子】①ブーンチャン(タイ)135③永井花奈※(東京・日出学園高2年)138⑤蛭田みな美(福島・学法石川高2年)140(15)畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高1年)144(19)小倉ひまわり(東京・日出学園高1年)145
▽13-14歳の部【男子】①杉原大河(徳島・南部中3年)132(26)青山晃大(愛知・笈瀬中3年)143(60)石坂友宏(神奈川・岩戸中3年)147【女子】①タバタナキット(タイ)125⑤平塚新夢(宮城・住吉中3年)140⑨長野未祈※(千葉・麗澤中2年)141⑲石井理緒※(新潟・本丸中3年)145⑲鬼塚貴理(熊本・竜南中2年)145(27)金城和歌奈(沖縄・西崎中3年)146
▽11-12歳の部【男子】①スミス(米国)136④三田真弘(岡山・京山中1年)141(30)杉浦悠太(愛知・高浜中1年)149(30)久常涼※(岡山・広野小6年)149【女子】①ノー(米国)138⑱阿部未来※(東京・東落合小6年)152(26)平木亜莉奈(群馬・下里見小6年)154(26)望月美甫(静岡・田子浦小6年)154
▽9-10歳の部【男子】①柴田憲(マニラ日本人学校4年)ハヤイダ(米国)ウアマド・ディ(フィリピン)=いずれも121⑨大野倖(千葉・吉岡小5年)125⑰縄田領一(山口・中村小5年)127(44)清水蔵之介※(東京・八坂小3年)134【女子】①梶谷翼※(岡山・総社東小5年)109⑥越田泰羽(神奈川・上矢部小5年)114⑦飯島早織※(栃木・矢板小3年)115⑨川畑優菜※(千葉・佐貫小3年)117⑬中原碧望(宮崎・赤江小5年)119
▽7-8歳の部【男子】①澤田竜成※(東京・第二亀戸小3年)119①コサルッタ(タイ)119⑥清水拳斗(埼玉・中尾小3年)125⑪本大志(神奈川・末吉小3年)129⑬矢野仁貴※(愛知・東山小2年)131【女子】①チェイシルプルングラン(タイ)115②藤代成実(埼玉・八幡小3年)116③山本実希※(栃木・北郷小2年)127③西山知里(山梨・山梨大付小3年)127
▽6歳以下の部【男子】①ジッタソーム(タイ)111②梶谷駿(岡山・総社東小1年)112【女子】①ドブヒー(米国)113④大橋莉生(静岡・入野小1年)129
(※はシード選手)

【雑観】

13-14歳の部男子の杉原大河(徳島・南部中3年)が、初の世界一に王手をかけた。首位でインからスタートし、10番でいきなり第2打を50センチにつけて幸先のいいスタートを切った。「あれが大きかった」という11番で、18メートルの第1パットを5メートルショートしたが、何とか沈めてパーに収めた。「今日はアイアンがよくなかった。ピン筋に行かず、長いパットのタッチをあわせてパーにするのが多かった」と振り返るように、14番で8メートルが決まったが、以降はチャンスらしいチャンスがなかったという。3番でボギーをたたき「ムードが悪くなりそうだった」ところを、6番パー5のイーグルが救った。手前6メートルに2オンしこれを沈めた。3つスコアを伸ばし、2位に2打差をつけた。「世界ジュニアで優勝したい」と、個人参加だった小3から出場。今年で6度目になる。これまで2位2回(2010年、12年)。初めて単独トップで臨む最終日に向け「優勝にこだわらず、スコアを伸ばすだけ。通算202が記録なので、2アンダーで抜ける」と、気負わずに挑む。


15-17歳の部女子で初日首位スタートの永井花奈(東京・日出学園高2年)が3打差3位に後退した。インスタートで「10番から13番が嫌いで、イーブンならいいと思った」という苦手ホールの1つ、11番でボギーが先行。17番でグリーンオーバーで2つ目のボギーと崩れかけた。18番で2メートルについて取り返したのをきっかけに、後半は3バーディー。首位は明け渡したものの、踏みとどまった。「風の読み間違いがあった。もう落とせないし、ポイントはロングでとってショートで落とさないこと。3日目は少なくとも4つバーディーはとりたい」と話した。
ジワリと浮上したのが、日本女子アマ覇者の蛭田みな美(福島・学法石川高2年)。前夜は選手団みんなに17歳の誕生日祝いをしてもらい、気分よくスタート。「ショットの振り抜きが気持ちよくなかった」というが、前半に3バーディーなど、悪いなりにスコアを伸ばし、結局通算4アンダーでフィニッシュ。「きょうは3パット2回が余計でした。伸ばしていかないと勝てないので、冷静な判断をしながら攻めていきたい」と、首位と5打差にも優勝を意識してきた。


9-10歳の部女子 梶谷翼(岡山・総社東小5年)と、7-8歳の部男子 澤田竜成(東京・第二亀戸小3年)が、2度目の世界一を目指す。梶谷は「練習場からショットがぶれていた」と、得意のショットの不調で苦しんだ。後半持ち直したが、今度はバーディーパットが決まらず、2つスコアを落とし、通算3アンダー。それでも、2位に2打差の首位を守り「明日はピンを狙う自分のゴルフをしたい」と、一昨年7-8歳の部に続く2度目の世界一を狙う。
同じく一昨年6歳以下の部で優勝した澤田は「ショットがブレたところはあるけど、ショートパットが入った」と、コサルッタ(タイ)ともに通算7アンダーで首位に並んで最終日を迎える。「10アンダーを超えるのが目標。自信はある」と、力強かった。


13-14歳の部女子で平塚新夢(あむ、宮城・住吉中3年)が、7アンダー65の好スコアをマークし、5位に浮上した。3番で2メートルについたのを皮切りに、アウトで5バーディー。後半のインでも2つとって、ボギーなしの内容に「後半は2つのパー5でカップにけられて取れなかった。あと2つは取れた」と、自己ベスト更新にもちょっぴり悔しそうな表情も。宮城県石巻市在住で、東日本大震災で被災。ゴルフの道具も津波に浸かった。それでも持ち前の明るさで乗り越えてきた。外国人のイケメンが好きで、開会式でも4人の外国人と一緒にツーショット写真を撮ったという。この日1日で12アンダー60をマークしたタバタナキット(タイ)が首位を独走しており「明日も自分実力を全部出し切れるようにしたい」と、シード権(5位以内)を最低目標におく。


9-10歳の部男子で、アンダーパーで回った大野倖(千葉・吉岡小5年)が9位、縄田領一(山口・中村小5年)が17位に浮上した。3アンダーで回った大野は「ドライバーとアイアンがよかった。べたピンが多かった。」という。10番では8メートルを決めて「ガッツポーズをした」と笑った。初出場で「外国選手と初めて回って、いきなり超うまい人だったし、緊張した」といい、ホールアウト後は熱が出て気持ちが悪くなったという。最終日は「5位以内でシード権を取りたい」と意気込んだ。縄田は2年ぶりの出場で、初めてアンダーパーをマーク(1アンダー61)。「前より緊張しなくなった。初めてアンダーパーが出て気持ちがいい。バーディーが4つ取れた」と胸を張った。ホテルでもペットボトル当てのパター練習をしているといい「最終日は6アンダーで回りたい。パーオン率を上げたら取れそう」と、こちらも意欲を見せていた。


【2日目コメント】

☆石過功一郎(兵庫・クラーク記念国際高1年=15-17歳の部男子27位)
「前半はバーディー、ボギーの繰り返しだったけど、後半はまとめられた。1番が嫌いなんです。練習ラウンドからパーを取ったことがない。(前半イーブンで)インは苦手じゃないんで、楽にやれた。巻き返したいと思っていて、アンダーが出た(71)ので、優勝争いに絡めるように60台を目指したい。コースのイメージはけっこういい。1番をなんとかパーで切り抜けたい」


☆畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高1年=15-17歳の部女子15位)
「アンダー(71)が出たし、まあまあでした。ドライバーが曲がらなかった。パターですね。グリーンが読めてない。思ったところに打って入らないんです。(初出場に)楽しいです。明日はシードを狙えるようないい位置に順位を上げたいです」


☆小倉ひまわり(東京・日出学園高1年=15-17歳の部女子19位)
「アンダー(71)でしたけど、上がりがチップイン、チップイン。17番は置くから20ヤードぐらいが入ってパー。18番は3打目を40ヤードぐらいからグリーンオーバーしちゃってそれが入った。でも、スコアは出そうな感じ。コースの癖がやっと分かってきました」


☆清水拳斗(埼玉・中尾小3年=7-8歳の部男子6位)
「イーグル取った。8番(18-ヤード、パー4)でピンに当たって跳ねての7ヤードぐらいだった。調子はわかんない。パターが入らないから。3パットもしちゃったし。最終日は10アンダー出す。気合で出す」