<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
女子で、仲村果乃(奈良・奈良育英高3年)が2位に食い込んだ。13番でチップインイーグルなどハーフ自己最高の30で回り、この日4アンダー68、通算3アンダー285で優勝したラッタナシン(タイ)に3打届かなかった。杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)と組んだ団体戦は、台湾に2打差で2位だった。杉浦と比嘉里緒菜(沖縄・興南高2年)が12位で、来年シード権(例年実績10位タイ)に1打足りず、シード権確保はならなかった。男子は出場5人全員が予選落ちして最終日は出場していない。
【協会広報ライター・赤坂厚】

【日本代表最終成績】

▽15-18歳の部男子(パー72)
【1位】チャン(フィリピン)=277
▽同団体
【1位】米国(シーンキービッツ、シュー)=563
▽15-18歳の部女子(パー72)
【1位】ラッタナシン(タイ)=282
【2位】仲村果乃(奈良・奈良育英高3年)=285
【12位】杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)=290
【12位】比嘉里緒菜(沖縄・興南高2年)=290
【18位】市村杏(長野・佐久長聖高1年)=292
【22位】花田華梨(茨城・ルネサンス高1年)=293
▽同団体
【1位】台湾(アン、ルー)=573
【2位】日本(仲村、杉浦)=575

雑観

仲村果乃(奈良・奈良育英高3年)

仲村果乃(奈良・奈良育英高3年)

15―18歳の部女子の仲村果乃(奈良・奈良育英高3年)が4アンダー68で追い上げたが、3打届かず通算3アンダーで2位に入った。前半38とスコアを落としたが「10番で5メートルのバーディーが入った。前半ずっと入っていなかったので流れが変わった感じです」と振り返るインで猛チャージ。12番で3メートルを入れた後の13番パー5では、グリーン手前から約20ヤードのチップインイーグルを決めた。17、18番連続バーディーで上がり、ハーフ自己最少の30をマーク。「自分でもびっくりです。チップインがミラクルすぎです」と笑顔を見せた。最終組の4組前ホールアウトし、後続が伸びず、一時はプレーオフに備えたが、最終組のラッタナシンに逃げ切られた。杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)と組んだ団体戦は、台湾のルーに64の快スコアをマークされて2打差で敗れた。今大会は昨年3位の実績もあって日本代表の女子主将を任された、「初日5オーバーでみんなに置いて行かれて、主将として恥ずかしいと思って何とか取り戻そうとしました。昨日(68)、今日と、主将らしいプレーができたかなと思います」と話した。直前の日本女子アマでは20位、今大会前も調子が上がっていなかった。3位、2位と世界一に一歩ずつ近づいたが、来年のこの大会には年齢で出場できない。「優勝したかった」と最後は残念そうな顔をした。

杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)

杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)

15―18歳の部女子で杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)が悔しい1ホールに沈んだ。この日はショット、パットとも好調で14番まで3つスコアを伸ばした。15番でバンカーに入れてボギーにした後、17番パー5で思わぬ落とし穴にはまった。第3打をダフって池に入れ、処置後の第5打もダフってグリーン手前に乗っただけ。「入れるしかないと思った」パットは1メートルほどオーバーし、返しを外してまさかのトリプルボギーになってしまった。結局この日は73、通算2オーバーの12位で、1打足りずに来年のシード権(例年実績10位タイ)を逃し、仲村果乃(奈良・奈良育英高3年)と組んだ団体戦では台湾に逆転を許して2位に終わった。悔しさでホールアウト後は涙にくれた。「初日、2日目はアイアンが悪くてパーオンが6回とか。昨日、今日は結構よくなった。パッティングは4日間よかった。でも、アプローチ、パター、バンカーはまだまだ下手ですね。もっと練習します」と、課題を挙げた。

比嘉里緒菜(沖縄・興南高2年)

比嘉里緒菜(沖縄・興南高2年)

15―18歳の部女子で比嘉里緒菜(沖縄・興南高2年)が12位で、来年シード権(例年実績10位タイ)に1打足りず、シード権確保はならなかった。前半を1オーバーで折り返し、10番で3メートルを入れ、11番で「13、14メートルあったと思います」というロングパットが入ってアンダーパーに。13番で4メートルを入れて2つ伸ばしたが「このあたりからドライバーが怪しくなってきた」と、14番で左に曲げて木が邪魔になってボギーとした。最終18番、第2打でグリーン手前のバンカーをギリギリ越えて5メートルにつけた。「絶対入れたいと思った」パットはカップに蹴られた。17年に13-14歳の部で優勝し、2年間シードの最後の年。来年のシード権を何としても取りたかったが、残念ながら逃した。「ショットの調子が万全ではなかったので、1回失敗すると恐怖心と戦いながらになってしまいました。気持ちよくプレーできたという感じはありませんでした」と、ちょっと疲れた様子だった。

コメント

☆15-18歳の部男子予選落ちの芳崎陽紀(神奈川・法政第二高2年)
芳崎陽紀(神奈川・法政第二高2年)「自分の実力が2日目(73)に出たと思います。伸びしろは見つかったのでそこを伸ばしたい。コースはグリーンが硬く、アプローチ、パターで苦労した。飛距離やショット力は世界でも通用したと感じました。バンカーやアプローチなどショートゲームをもっと磨かないとだめだと思います」


☆15-18歳の部男子予選落ちの丘尊伍(大阪・大阪学院大高1年)
丘尊伍(大阪・大阪学院大高1年)「もう少し結果を出したかったです。すごく距離が長くて、グリーンも日本と違って全然止まらないと感じました。風、芝、今まで日本で経験したことがなかった。もう少しアプローチとパターの対応力があれば戦えると感じました。飛距離アップと、アイアンで高い球を打つこと、アプローチの種類を増やすことが必要と思いました」


☆15-18歳の部男子予選落ちの横山翔伍(宮崎・姫城中3年)
横山翔伍(宮崎・姫城中3年)「結果はまあまあだったと思います。距離が長かった。ドライバー、セカンドショットがまっすぐに飛んだところはよかった。バンカーやラフからのショットを練習してきましたが、深いラフからのアプローチの打ち方を練習しないといけないと思います」


☆15-18歳の部男子予選落ちの亀井壮汰(香川・香川西高3年)
亀井壮汰(香川・香川西高3年)「アイアンの精度を高める練習などをしてきましたが、まったく自分のゴルフが通用しなかったです。ラフが日本のコースと違って、クラブの抜けがすごく難しかったです。パッティングではしっかりインパクトを緩めずにしっかり打てたところが、練習の成果が出ました。もっと体を作って、飛距離を伸ばせるようにしたい。アプローチなどゴルフの知識ももっと広げたいです」


☆15-18歳の部男子予選落ちの竹原佳吾(東京・早稲田実業高1年)
竹原佳吾(東京・早稲田実業高1年)「大会前にテストであまり練習できなかったけど、情けない結果だと思います。グリーンが硬くて、自分の球は低いので歯が立たなかった。パターが難しかった。でも、飛距離は外国の選手とだいたい一緒だった。コースマネージメントが大事だと思いました。今回の試合で、ゴルフには流れが大切だということをあらためて痛感しました」


☆15-18歳の部女子18位の市村杏(長野・佐久長聖高1年)
市村杏(長野・佐久長聖高1年)「最終日、サヨナラしました。カップに嫌われているようです。2打目が寄ったところもカップに蹴られてしまって。カップの近くに行かない方がバーディーを取りやすかった。1日ぐらいアンダーパーを出したかったけど、いい感じで避けられてしまいました。悲しいですね。ラインを読みすました。オーバーめに読んで、転がりはプロっぽくなったけど、スコアがプロっぽくなかった。最後の18番は残り151ヤードを7番アイアンで打って1ヤードについた。感動ストーリーでした。予想通り楽しかったので、来年もきたいです」


☆15-18歳の部女子22位の花田華梨(茨城・ルネサンス高1年)
花田華梨(茨城・ルネサンス高1年)「去年13-14歳の部で2位だっただけに、思ったよりだめで悔しい結果でした。コースは4年前(11-12歳の部)で回った時は最終日に3アンダーが出たので頑張れば行けるかと思ったけど、違った難しさを感じました。特に飛距離が変わって、ティーショットの狙いが難しかった。練習してきたアイアンの精度はよかったと思います。ミスしたときに焦らず、落ち着いてプレーできるようなメンタルを身に着けることが必要だと思いました」


☆15-18歳の部女子3日目棄権の佐藤杏莉(千葉・麗澤高2年)
佐藤杏莉(千葉・麗澤高2年)「試合で棄権するのは初めてなので悔しい。初日と2日目は、風の計算をもっと正しくできていたらもっといいスコアを出せたと思う。日本の芝と違って慣れるまで難しかったですけど、アップダウンも少しあるコースは楽しかった。アプローチやバンカーなどはうまくいったと思います。これからの課題は、2打目の精度と、3~5メートルのバーディーパット、風の計算です」


☆15-18歳の部女子初日失格の益田世梨(岡山・岡山理科大付高2年)
益田世梨(岡山・岡山理科大付高2年)「初めて失格がアメリカで初日に出てしまって、メンタルをやられました。失格はもう一生ないと思います。次の日には切り替えられて、せっかくアメリカに来たから(3日目までプレーして)いろんなことを学んで帰ろうと思いました。そんなに難しいコースではなかったけど、ピンポジションや風の強さですごく頭を使わされるコースだった。いくらアイアンがよくてもドライバーでフェアウエーに置かないと意味がなかった。ちゃんと14ホール置けるように練習します」