<マクドナルドカップ 世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東北・北海道予選>

15-17歳の部女子で、2010年の女子プロゴルフステップアップツアー、ANAプリンセスカップに13歳で優勝した高橋恵(長野・佐久長聖高2年)が、4アンダー68の快スコアをマークして、決勝大会(5月10~12日、岐阜・花の木GC)に進出した。3連続を含む5バーディー、1ボギーと、近年の不振を振り払った。同男子では、阿部莞太郎(宮城・仙台一高2年)がイーブンパー72をマークし、接戦を制して決勝大会に進んだ。13-14歳の部女子では、東日本大震災で被災した宮城・石巻の平塚新夢(あむ、住吉中2年)が2オーバー74でトップとなった。11-12歳の部男子では3年連続世界ジュニア出場を目指す蝉川泰果(兵庫・兵庫教育大付中1年)が左手小指付け根骨折が完治しない中で予選ラストチャンスを5オーバー77でしのいで決勝に進出。世界ジュニアゴルフ選手権(7月16~19日、米国サンディエゴ)を目指す決勝大会進出者は以下の通り。

15~17歳の部
【男子】 ①阿部莞太郎(宮城・仙台一高2年)72②佐々木魁斗(宮城・仙台育英高3年)73③今野匠(宮城・七北田中3年)73④矢野晶士(宮城・東北高3年)74
【女子】 ①高橋恵(長野・佐久長聖高2年)68②蛭田みな美(福島・学法石川高1年)72③椿原海里(宮城・東北高2年)74
13~14歳の部
【男子】 ①猪狩広大(茨城・華川中3年)77②夏堀裕大(茨城・水戸第四中3年)78③渡辺悠斗(新潟・東石山中2年)80
【女子】 ①平塚新夢(宮城・住吉中2年)74②佐久間梨々子(秋田・大館東中3年)77③木村怜衣(宮城・将監中2年)79④大村みなみ(宮城・南中山中2年)79
11~12歳の部
【男子】 ①蝉川泰果(兵庫・兵庫教育大付中1年)77②黒沢光(福島・日和田中1年)78③遠藤銀河(福島・いわき中央台南中1年)79④小村優太(北海道・中の島中1年)82⑤石岡丈(青森・鯵ケ沢中1年)83
【女子】 ①山口すず夏(神奈川・鵜野森中1年)74②小林千夏(長野・女鳥羽中1年)79③高久みなみ(福島・西郷第一中1年)84
9~10歳の部
【男子】 ①神谷幸之介(東京・慶応幼稚舎5年)91②豊田悠悟(宮城・寺岡小4年)95
【女子】 ①西沢里世(北海道・美しが丘小5年)88②内海あにか(宮城・東北インターナショナルスクール3年)92③三浦琴未(宮城・鹿島台小5年)93
7~8歳の部
【男子】 ①大石恵輝(山形・天童南部小3年)90
【女子】 ①工藤奈々実(山形・酒田琢成小3年)96
(注)同スコアの順位は18番からのカウントバックによる

<開催概要>
日程: 4月13日(土)
場所: 宮城・松島チサンCC(15~17歳男子6601ヤードほかカテゴリー別)
出場: 145人
主催: 一般社団法人国際ジュニアゴルフ育成協会(IJGA)ほか
特別協賛: 日本マクドナルド株式会社

 

【大会雑観】

15-17歳の部女子
トップ通過の高橋は、妹の清(右)と昨年の世界ジュニア2位で応援に来た大田沙羅(左)に囲まれて笑顔を見せた
トップ通過の高橋は、妹の清(右)と昨年の世界ジュニア2位で応援に来た大田沙羅(左)に囲まれて笑顔を見せた
高橋恵(長野・佐久長聖高2年)が、ダントツの4アンダー68をマークして15-17歳の部女子を制し、決勝大会(5月10~12日、岐阜・花の木GC)に進んだ。前日37度の発熱で「結構スタート前はつらかった」というが「力が抜けてよかったのかも。余計なことを考えなかった」と、ホールアウト後は笑顔。インスタートで15番でバーディーが先行。アウトに折り返し、4番でグリーン右に外したが、約20ヤードを直接放り込りこんでから3連続バーディーなど、
5バーディー、1ボギーでただ1人アンダーパーで回った。中学2年の2010年、女子プロゴルフのステップアップツアー、ANAプリンセスカップにアマで優勝する快挙を達成したが、その後調子を崩し「ショット、パット、気持ちの順に折れてしまった」と、一時はゴルフをやめようと思ったという。今オフに単身で米国修行。練習の合間に米ツアーの試合を観戦し「タイガー・ウッズさんの練習ラウンドを見たり、フィル・ミケルソンさんにサインをもらって興奮してしまった」という。1人旅で精神的にも鍛えられ、ゴルフの調子も取り戻しつつある。11-12歳の部女子で妹の清(佐久長聖中3年)は残念ながら予選通過はならなかったが、高橋は「世界ジュニアに行く自信は、今はあります」と、世界舞台を思い描いていた。
15-17歳の部男子
東北のライバルを退けて1位通過した阿部のティーショット
東北のライバルを退けて1位通過した阿部のティーショット
15-17歳の部男子では、阿部莞太郎(宮城・仙台一高2年)が競り勝って、トップで決勝大会(5月10~12日、岐阜・花の木GC)に進出した。「いつもより出入りが激しいゴルフだった」と反省。1番でいきなり3メートルを沈めてバーディースタートを切り、2番も取ったが、7、8番連続ボギーなど4バーディー、4ボギー。「スイング改造中でパターとアプローチでしのぎました」と振り返った。県内有数の進学校で、ゴルフ部はない。個人で練習する傍ら、学校では部活動でフットサルに挑戦しているという。珍しい名前の「莞」の字は「完に草冠がつくと健やかに育つ、爾をつけて莞爾というのはほがらかということだそうです」と説明。その通り、ニコニコして1位のメダルを受け取った。「世界ジュニアは世界中から集まってくるので、いろいろな文化を含めて触れ合ってみたい」と、意欲を見せていた。
13-14歳の部女子
東日本大震災を乗り越えて、堂々のメダリストとして決勝に進んだ平塚
東日本大震災を乗り越えて、堂々のメダリストとして決勝に進んだ平塚
13-14歳の部女子で、地元の宮城・石巻市在住の平塚新夢(あむ、宮城・住吉中2年)が、2オーバー74でトップ通過を果たした。「前半バーディーが取れたのでまあまあの出来でした」と、インからスタートして3バーディー。後半アウトでは8番で3パットのダブルボギーを「悔しかった」と反省したが、トップと聞いて「やったー」と笑顔を見せた。東日本大震災では、自宅が津波で約1・5メートル浸水。「クラブが浮いていた。ドライバーに水が入ってチャプチャプいっていた」という。クラブを洗って、1カ月後に行われた世界ジュニア決勝大会に出場したが夢はかなわず。昨年は予選で涙をのんだ。「このコースは家から一番近いコースなので、今度こそと思った」と、地の利もあってまずは予選を突破。「アイアンの精度を高めて、アプローチは全部寄せワン、見たいなゴルフをしたい」と、決勝に挑む。
11-12歳の部男子
左手小指付け根骨折のアクシデントを乗り越えた蝉川のティーショット
左手小指付け根骨折のアクシデントを乗り越えた蝉川のティーショット
蝉川泰果(兵庫・兵庫教育大付中1年)が3年連続世界ジュニア出場へ向け、11-12歳の部男子をトップ通過した。3月初旬に学校で友人と接触して左手小指の付け根を骨折。ギプス生活を強いられ、回復を信じて予選日程で一番遅い東北・北海道予選に出場した。1週間前にギプスが取れ「この大会の練習ラウンドが1カ月ぶりのラウンドでした」と、十分な練習が出来ず、手もまだ完全には治っていない状態。「パーオンが6回しか出来なかった」という中でも粘りのゴルフで、終わってみれば5オーバー77の1位。2年連続世界ジュニア日本代表の貫禄を見せた。「決勝までには、練習量を増やしていきたい。ここを入れないと、というときにできるように、メンタル面を上げていきたい」と、意気込みを見せていた。

 

【大会コメント】

13-14歳の部男子1位の猪狩広大
13-14歳の部男子1位の猪狩広大
◇13-14歳男子◇
1位・猪狩広大(茨城・華川中3年)
「(半そででのプレーに)寒くなかった。プレーしやすかった。バーディー2つ取ったけど、7番でダボを出したので、そのへんをもう少し気を引き締めてやりたい」
11-12歳の部女子1位の山口すず夏
11-12歳の部女子1位の山口すず夏
◇11-12歳女子◇
1位・山口すず夏(神奈川・鵜野森中1年)
「アイアンが全然ダメだった。パットがよくて3メートルぐらいのパーパットが3回入ったのがよかった。決勝大会までにアイアンを新しくして精度を磨きたい」