<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 関東予選(3)>

 冷たい強風が吹くコンディションとなった。15―18歳の部男子は芳崎陽紀(神奈川・法政大第二高2年)が1オーバー73で2位に2打差をつけて1位となり、東日本決勝大会(4月20~21日、茨城・美浦GC)に進んだ。同女子は、吉川くるみ(茨城・ルネサンス高3年)と鈴木優芽(埼玉・埼玉栄高2年)が3オーバー75でトップに並んだが、18番からのカウントバックで吉川が1位となった。13―14歳の部では、男子は黒田幸太郎(神奈川・日本大中3年)が6オーバー78で2位に1打差で、女子は6バーディーを奪って3アンダー69と参加選手中ただ1人アンダーパーをマークした手塚彩馨(山梨・白根御勅使中2年)が、それぞれ1位で東日本決勝大会に進んだ。

 東日本決勝大会進出者は以下の通り。

▽15-18歳男子
 【1位】芳崎陽紀(神奈川・法政大第二高2年)=73
 【2位】豊太陽(千葉・黎明高1年)=75
 【3位】安保卓哉(東京・早稲田実業高1年)=75
 【4位】安保勇希(神奈川・慶應大1年)=75
 【5位】鵜沢幸輝(千葉・稲毛高2年)=76
 【6位】森竜也(東京・駒場学園高3年)=76
 【7位】笠原大輝(東京・駒場学園高3年)=77
 【8位】中島爽(東京・玉川学園高等部1年)=77
 【9位】島岡聖(神奈川・東海大付相模高中等部3年)=79
 【10位】中川拓海(千葉・黎明高3年)=80
▽同女子
 【1位】吉川くるみ(茨城・ルネサンス高3年)=75
 【2位】鈴木優芽(埼玉・埼玉栄高2年)=75
 【3位】伊波川彩名(東京・筑波大付高2年)=76
 【4位】佐藤杏莉(千葉・麗澤高2年)=77
 【5位】廣岡絵美理(東京・日本ウェルネス高2年)=79
 【6位】勝亦令奈(静岡・加藤学園暁秀中3年)=79
 【7位】宇佐美彩華(千葉・印旛明誠高3年)=80
 【8位】高橋こはく(神奈川・座間中3年)=82
 【9位】松本菜々子(東京・目黒星美学園3年)=82
 【10位】野崎里咲(神奈川・湘南学院3年)=82
▽13-14歳男子
 【1位】黒田幸太郎(神奈川・日本大中3年)=78
 【2位】伊藤颯汰(神奈川・青葉台中3年)=79
 【3位】金子佳矢(東京・早稲田実業中等部2年)=79
 【4位】三橋颯太朗(神奈川・森村学園中等部3年)=80
 【5位】清水拳斗(埼玉・東浦和中2年)=80
 【6位】北村祐(東京・砧南中3年)=80
 【7位】板村凌太(東京・荏原第一中3年)=81
 【8位】川村尚史(東京・日本大第一中2年)=81
▽同女子
 【1位】手塚彩馨(山梨・白根御勅使中2年)=69
 【2位】川畑優菜(千葉・麗澤中2年)=73
 【3位】西山知里(山梨・山梨大付中2年)=76
 【4位】上田澪空(東京・多摩中2年)=76
 【5位】高野愛姫(東京・飛鳥中3年)=77
 【6位】渡辺世奈(千葉・勝田台中3年)=78
▽11-12歳男子
 【1位】中田一颯(千葉・高柳中1年)=77
 【2位】金森渉真(千葉・大津ヶ丘中1年)=79
 【3位】相浦大輝(神奈川・宮崎中1年)=79
 【4位】清野桜貴(東京・城山中1年)=80
 【5位】木暮凌太(千葉・旭東中1年)=86
 【6位】柴崎大和(東京・目黒第十一中1年)=86
▽同女子
 【1位】小林イリス(東京・聖学院中1年)=78
 【2位】遠藤桂音(神奈川・大津中1年)=82
 【3位】鈴木能々子(東京・鹿浜菜の花中1年)=84
 【4位】柳原由依(東京・武蔵野学園小6年)=84
 【5位】松木このみ(神奈川・中沢中1年)=86
 【6位】早坂梨花(千葉・有秋中1年)=87
 【7位】松本夏華(東京・筑波大付中1年)=89
※同スコアの順位は18番からのカウントバックによる

【協会広報ライター・赤坂厚】

 

【大会雑観】

15-18歳の部男子
芳崎陽紀(神奈川・法政大第二高2年)
芳崎陽紀(神奈川・法政大第二高2年)
芳崎陽紀(神奈川・法政大第二高2年)
15-18歳の部男子は芳崎陽紀(神奈川・法政大第二高2年)が「まあまあ」のプレーながら1オーバー73で回り、東日本決勝大会に1位で進んだ。不満な理由は「いったんは目標のアンダーパーになったんですけど、16番でダブルボギーにしてしまって」と悔やむ。14番で7メートルのバーディーパットを「ピンを立てたまま打ったら強かったんですけどピンに当たって入った」と、新ゴルフ規則の恩恵? で1アンダーに。しかし、16番でグリーン左に外し、アプローチがグリーンを飛び出してバンカーに入って4オン2パットのダブルボギーにしてしまった。それでも強風の中でトップ通過。「ここ2回、予選落ちしていたけど、今年は世界ジュニアに行きたいので少し試合に出て慣れてからこの大会に来た」という。2012年に9-10歳の部代表になったが「その時は余裕も英語もなかったので」と笑う。「東日本決勝大会で優勝を目指し、もう1回世界に行って今度は英語も日常会話ぐらいは何とかなるでしょうし、世界の同世代のレベルを知りたい」と、7年ぶりの世界代表を狙う。
15-18歳の部女子
吉川くるみ(茨城・ルネサンス高3年)
吉川くるみ(茨城・ルネサンス高3年)
吉川くるみ(茨城・ルネサンス高3年)
15-18歳の部女子では吉川くるみ(茨城・ルネサンス高3年)と鈴木優芽(埼玉・埼玉栄高2年)が通算3オーバー75でトップに並び、18番からのカウントバックで18番パーの吉川がメダリストとなって東日本決勝大会に進んだ。強風の中で「ピンの位置が難しかったので、バンカーとかに入れずに安全な方へ打つことを心掛けた」という。インスタートの13番ではうまくフォローの風に乗せて50センチにつけるバーディーも奪った。この予選には5回目の出場といい「去年は予選落ちした。今年はその時よりもドライバーがよくなって、フェアウエーに置けています」と成長をみせている。145センチと小柄だが、ドライバー飛距離は230ヤードある。東日本決勝大会に向け「グリーンを外しても確実にパーをとれるようにして、2位までに入って世界ジュニアに行きたいです」と意欲を見せていた。
13-14歳の部女子
手塚彩馨(山梨・白根御勅使中2年)
手塚彩馨(山梨・白根御勅使中2年)
手塚彩馨(山梨・白根御勅使中2年)
13-14歳の部女子の手塚彩馨(山梨・白根御勅使中2年)が、参加選手の中でただ一人アンダーパーの3アンダー69をマークして、1位で東日本決勝大会に進出した。強風の中で「試合での自己ベストを出せてうれしい」と会心のプレー。「パッティングがよかった。バーディーを6個取れました」とニコニコ。インスタートで最終9番ではグリーン左に外したが、20ヤードのアプローチが「イメージ通り7ヤードのところに落としてコロコロ転がって入った。寄って行くときに、ラインに乗っていたので『入れ、入れ』と思った」とチップインバーディーで締めた。ホッケーの盛んな山梨県南アルプス市白根で、小3からホッケーをやっていた。ゴルフとの両立が難しくなってきて、昨年12月にホッケーはやめたが「ホッケーのおかげでドライバーの飛距離が出るようになった」と、今は230ヤードほどに伸びているという。「東日本決勝大会ではアンダーパーを目標にしたい。そのためにもアプローチとパターの練習をして行きます」と、意気込んでいた。
15-18歳の部男子
安保勇希(左)卓哉兄弟
安保勇希(左)卓哉兄弟
15-18歳の部男子で、安保勇希(神奈川・慶應大1年)、卓哉(東京・早稲田実業高1年)兄弟が同じ3オーバー75をマークし、18番からのカウントバックで弟・卓哉が3位、兄・勇希が4位で東日本決勝大会に進んだ。このカテゴリーの年齢幅が広がったことで昨年から世界ジュニア本戦より後に19歳となる大学生の予選参加も可能になった。兄は最後の挑戦、弟はこのカテゴリーで初挑戦。順位で上回った卓哉は「前半は調子よかった。途中で2アンダーまで行ったし」といい、勇希は「弟は後ろの組でいい感じだったので焦りました。負けられないと思った」と笑う。受験が重なり、弟が早稲田実業に合格、兄は早慶両方に受かったが「一緒に通いたくなくて」と慶應大に進んだという。弟は「決勝に行けてうれしい。初めてなので緊張すると思うけど、食いついていきたい」と話し、兄は「2人で大会に出て刺激し合えるのかな。東日本決勝大会は難しいだろうけど、アプローチで耐えていきたい」と、兄弟世界代表を目指す。

 

【大会コメント】

鈴木優芽(埼玉・埼玉栄高2年)
鈴木優芽(埼玉・埼玉栄高2年)
◇15-18歳の部女子2位の鈴木優芽(埼玉・埼玉栄高2年)◇
「ドライバーでOBになりなりかけたところもあったけど、ショートアイアンがよかった。15番でバックスピンで10センチについて、1番でもアゲンストだったけど10センチについた。去年は予選落ちしたけど、この1年でマネージメントがよくなったと思います。それまではピンばかりを狙っていたけど、短いところでピンを狙う。うまい人はそれができていると気づいた。大崩れがなくなりました。美浦は難しいので、調子を上げていかないと」
黒田幸太郎(神奈川・日本大中3年)
黒田幸太郎(神奈川・日本大中3年)
◇13-14歳の部男子1位の黒田幸太郎(神奈川・日本大中3年)◇
「いつもパターが悪いけど、今日はよかった。風でショットが曲がってしまって、1番でバンカーに入れたり、ショットがあまりよくなかった。バーディーがゼロ。いつもなら2つぐらいは取れるんですけど。東日本決勝大会ではしっかり2位までに入れるようにやりたい。パターが大事だと思う。2~3メートルを入れられるようにしたい」
川畑優菜(千葉・麗澤中2年)
川畑優菜(千葉・麗澤中2年)
◇13-14歳の部女子2位の川畑優菜(千葉・麗澤中2年)◇
「パットと、前半のセカンドショットがうまくいかなかった。風が強かったけど、ちゃんと風を読んで番手の上げ下げをしたので、あまり影響はなかったです。世界ジュニアには毎年行ってけどまだ優勝していないので優勝したい。東日本決勝大会ではセカンドショットをよくして、バーディーをたくさん取りたい。3パットしないように、ロングパットも練習していく」
中田一颯(千葉・高柳中1年)
中田一颯(千葉・高柳中1年)
◇11-12歳の部男子1位の中田一颯(千葉・高柳中1年)◇
「今日は結構ドライバーとか、ショットがよかった。風があって、バンカーの上とか、ピンポジションも難しかったので、ちょっと強めに打っていくようにした。バーディーは2つだった。3番で1メートル、4番で2メートルについた。去年が東日本決勝大会でダメだった。アイアンが得意なので、頑張って世界ジュニアに行きたい」
小林イリス(東京・聖学院中1年)
小林イリス(東京・聖学院中1年)
◇11-12歳の部女子1位の小林イリス(東京・聖学院中1年)◇
「ロングパットの距離感が合わなくて、3パットを4回もしてしまった。風が強くてドライバーのティーアップを低くして低い球を打とうと思ったけど、吹き上がっちゃったときもあった。これからクラブを替える予定です。美浦はグリーンが難しいと思うので、距離感を合わせて今日みたいに3パットしないようにしたい。風があってもしっかり読んで奥につけないようにしたい」