<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東北・北海道予選>

 コースが前日2日に季節外れの雪に見舞われ、コースコンディション回復を待って2時間30分遅れでスタートし、強風、日没などを考慮して9ホールに短縮して競技が成立した。
 15―18歳の部男子は、工藤大河(山形・日大山形高3年)が強風の中で2オーバー38の好スコアをマークして1位となり、東日本決勝大会(4月20~21日、茨城・美浦GC)に進んだ。同女子は櫻井梨央(茨城・明秀日立高1年)が7オーバー43と不満の残るプレーながらトップ通過した。
 13-14歳の部男子は中里通(宮城・宮城教育大付中2年)と末広大地(新潟・中条中3年)が5オーバー41で並んだが、カウントバックで中里がメダリストとなった。同女子は岩渕唯愛(北海道・屯田中央中2年)が後続を1打振り切って7オーバー43で1位通過を果たした。
 東日本決勝大会進出者は以下の通り。

▽15-18歳男子
 【1位】工藤大河(山形・日大山形高3年)=38
 【2位】嶺岸聖也(宮城・聖ウルスラ学院英智高3年)=43
 【3位】中村凛(山形・日大山形高3年)=44
▽同女子
 【1位】櫻井梨央(茨城・明秀日立高1年)=43
 【2位】久保青空(千葉・麗澤高3年)=44
▽13-14歳男子
 【1位】中里通(宮城・宮城教育大付中2年)=41
 【2位】末広大地(新潟・中条中3年)=41
 【3位】ゴヴォロヴスキー大河(北海道・恵庭中2年)=43
 【4位】菊池諒太郎(岩手・北上北中3年)=43
 【5位】井出太陽(長野・川上中3年)=43
▽同女子
 【1位】岩渕唯愛(北海道・屯田中央中2年)=43
 【2位】横山百合香(宮城・荒浜中3年)=44
 【3位】中山苺衣(岩手・土淵中2年)=44
 【4位】伊藤ひより(宮城・八乙女中3年)=49
▽11-12歳男子
 【1位】竹谷光祐(北海道・西岡中1年)=41
 【2位】黒金翼(宮城・八乙女中1年)=44
 【3位】佐藤ミラー(沖縄・北玉小5年)=44
▽同女子
 【1位】中野杏(山形・上山小6年)=45
 【2位】菊地弥香(宮城・松陵小6年)=45
 【3位】西本世蘭(大阪・豊川南小5年)=46
▽9-10歳男子
 【1位】岩井礼歩(新潟・小出小5年)=46
 【2位】国分脩真(山形・天童南部小3年)=59
▽同女子
 【1位】島川桃子(岩手・宇部小5年)=42
 【2位】半澤かんな(福島・長瀬小5年)=44
 【3位】根田うの(北海道・大曲東小5年)=45
▽7―8歳男子
 【1位】林田聖也(福岡・吉田小2年)=40
(注)同スコアの順位は18番からのカウントバックによる

【協会広報ライター・赤坂厚】

 

【大会雑観】

15―18歳の部男子
工藤大河(山形・日大山形高3年)
工藤大河(山形・日大山形高3年)
工藤大河(山形・日大山形高3年)
15―18歳の部男子は、工藤大河(山形・日大山形高3年)が強風の中を2オーバー38で回り、1位で東日本決勝大会(4月20~21日、茨城・美浦GC)に進んだ。「風が強くてアイアンでグリーンを外してボギー、が多かった」と8番まで3オーバー。それでも9番でピン奥5メートルについた。ピンを立てたまま「強めに打ったら、カップの真ん中にいってピンに当たってガン、ガンと入った」とバーディーフィニッシュした。予選には今回6回目の挑戦といい、過去5回は予選落ちしていた。「高校3年で最後なので世界ジュニアに行きたい」と力を込める。この1年間で「地道に練習して」とアプローチで拾えるようになったことと、毎日素振り400回のおかげでドライバーの方向性がよくなったという。東日本決勝大会に向け「まんべんなく、ドライバーからパターまで調整していきたい」と、初の決勝大会に備える。
15―18歳の部女子
櫻井梨央(茨城・明秀日立高1年)

櫻井梨央(茨城・明秀日立高1年)
櫻井梨央(茨城・明秀日立高1年)

15―18歳の部女子は、櫻井梨央(茨城・明秀日立高1年)が2年連続で東日本決勝大会に進んだ。「風が強くなるのは分かっていたんですけど、ショットが乱れて、9ホール全部パットが入らなかった」と、15番では風に流されて左OBになるなど7オーバー43のスコアを悔やんだ。昨年は13―14歳の部で東日本決勝大会に行ったが、世界ジュニア出場権まであと1歩の3位で逃した。「去年は100ヤード以内をチャンスに寄せられなかったので、1年間重点的に練習しました。日本の代表として世界に挑戦したい」と、準備をしてきた。1年で身長が4センチ、ドライバー飛距離が20ヤードほど伸びたという。「1つ上のカテゴリーになったので厳しいとは思いますけど頑張りたい」と、世界舞台を目指す。
13―14歳の部男子
中里通(宮城・宮城教育大付中2年)
中里通(宮城・宮城教育大付中2年)
中里通(宮城・宮城教育大付中2年)
13―14歳の部男子では、中里通(宮城・宮城教育大付中2年)がドライバーに苦しみながらも5オーバー41に踏みとどまって、トップで東日本決勝大会に進出した。9ホールに短縮されたことで「しっかりやろう」とスタートしたが、1番でティーショットを右に曲げてボギー。「3番ではおかしいぐらい右に行ってOBにして、第4打も右に曲げてトリプルボギーになった」と、短期決戦の序盤3ホールで4オーバーと苦しい展開。そこからパーを拾って粘った。昨年は東日本決勝大会の第1ラウンドで92の大たたきをする苦い経験を味わった。中1から伸び始めた身長は173センチで、ドライバー飛距離は290ヤードという飛ばし屋。「東日本決勝大会では練習ラウンドでしっかりグリーンの速さとかをメモして、スコアに結び付けたい。とにかくドライバーが右に行くのを修正する」と、リベンジを目指す。
13―14歳の部女子
岩渕唯愛(北海道・屯田中央中2年)
岩渕唯愛(北海道・屯田中央中2年)
13―14歳の部女子で、岩渕唯愛(北海道・屯田中央中2年)が7オーバー43ながら、トップで東日本決勝大会にコマを進めた。「全部調子が悪かった。(雪が解けて)下がぐちゃぐちゃなところがあって、うまく打てなかった」と、プリファードライが適用され、雪解け後の強風で急速にコースが乾いたとはいえ、コンディションは悪かったよう。いつもプレーする北海道のコースはまだオープンしていない。この予選に来る前までは練習場でしか練習できなかったため、こうした条件に対応しきれなかった。それでもトップのスコアに「9ホールになって、しっかりスコアを出さないとだめだと思った」と集中はできた。東日本決勝大会に向けては「悪かったところ全部直したい。特にアプローチは」と、課題を挙げた。

 

【大会コメント】

竹谷光祐(北海道・西岡中1年)
竹谷光祐(北海道・西岡中1年)
◇11-12歳の部男子1位の竹谷光祐(北海道・西岡中1年)◇
「緊張していたけど、水とかを飲んで5番くらい落ち着いた。1番でアプローチを失敗してダブルボギーにしたけど、風向きを利用してうまくやれたと思う。今年はまだ1ラウンドしかしていなかった。決勝大会に行くのは今回が初めて。アプローチを結構失敗したんで、練習していきたい。フェアウエーウッドが得意なので、長いコースは苦にならないと思います」
中野杏(山形・上山小6年)
中野杏(山形・上山小6年)
◇11-12歳の部女子1位の中野杏(山形・上山小6年)◇
「後半の方はいいんだけど、きょうは(9ホールになって)前半頑張らないと決勝大会に行けないと思って、パーをなるべくいっぱい取ろうと思った。あまり取れなかったけど、45というスコアになってよかった。球がグリーン手前で急に落ちたり、風が気になった。もっといっぱい練習する。パターを特にいっぱい練習する」
岩井礼歩(新潟・小出小5年)
岩井礼歩(新潟・小出小5年)
◇9-10歳男子の部1位の岩井礼歩(新潟・小出小5年)◇
「思い切ってやろうと思った。まあまあのプレーができた。風が強くて、2回ぐらい仕切り直しした。スコアには満足がしていない。いつもはショットが左に行くことがあるんだけど、今日はショット全部がなぜか右に行ってしまったから。決勝大会に行くのは初めて。予選と同じように思い切っていきたい」
島川桃子(岩手・宇部小5年)
島川桃子(岩手・宇部小5年)
◇9-10歳の部女子1位の島川桃子(岩手・宇部小5年)◇
「アプローチがよかった。風が強かったから番手を上げたり、横からの時は右へ左へ行くから向きを変えたりして打った。決勝大会は2回目だけど前はスコアが悪かった。アプローチとかパターとか、長い距離を寄せられるようにしたい。5メートルぐらいのは入れたい」
林田聖也(福岡・吉田小2年)
林田聖也(福岡・吉田小2年)
◇7―8歳の部男子1位の林田聖也(福岡・吉田小2年)◇
「ドライバーがよかった。風は気にならなかったけど、寒かったから背中にカイロ張っていった。アプローチがよかったから7ホールでパーオンできた。東広島の予選(中国・四国予選)ではカウントバックで負けた。今度(東日本決勝大会)はパターを練習してくる」