<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東日本決勝大会最終日>

 同女子は、安西歩美(茨城・土浦日大高1年)が通算5オーバー149で逆転優勝し、2位に食い込んだ成田瑛麻(東京・学習院高等科3年)と日本代表となった。
13-14歳の部男子は、渋井晃太郎(神奈川・永田中3年)が5アンダー67の快スコアをマークし、通算2アンダー142で圧勝。2位争いは混戦となったが、粟野泰成(茨城・国府中3年)が入り、日本代表の座を射止めた。

 同女子は大混戦となったが、中嶋月葉(兵庫・宝梅中3年)と小宮千愛(愛知・南山学園聖霊中3年)が通算9オーバー153で並んでフィニッシュ、日本代表を手にした。優勝を決めるプレーオフは、バーディーを奪った中嶋が制した。中嶋の妹の雪音((兵庫・宝塚第一小3年))が7-8歳の部女子をプレーオフで制して、日本代表選手団での派遣となった2011年以降では初めての姉妹同時代表となった。

 東日本ブロックの世界ジュニア日本代表は以下の通り。

▽15―18歳の部男子
 【1位】竹原佳吾(東京・早稲田大1年)=147
 【2位】三橋颯太朗(長野・佐久長聖高3年)=147
▽同女子
 【1位】安西歩美(茨城・土浦日大高1年)=149
 【2位】成田瑛麻(東京・学習院高等科3年)=152
▽13―14歳の部男子
 【1位】渋井晃太郎(神奈川・永田中3年)=142
 【2位】粟野泰成(茨城・国府中3年)=151
▽同女子
 【1位】中嶋月葉(兵庫・宝梅中3年)=153
 【2位】小宮千愛(愛知・南山学園聖霊中3年)=153
▽11―12歳の部男子
 【1位】根本悠誠(千葉・加茂学園中1年)=152
▽同女子
 【1位】福崎凛々(大阪・日根野中1年)=148
▽9―10歳の部男子
 【1位】稲葉輝海(東京・青梅第三小4年)=159
▽同女子
 【1位】本村彩歌(兵庫・小浜小4年)=156
▽7―8歳の部男子
 【1位】吉松優馬(兵庫・塩屋北小2年)=145
▽同女子
 【1位】中嶋雪音(兵庫・宝塚第一小3年)=167
※同スコアはプレーオフによる
【協会オフィシャルライター・赤坂厚】

 

【大会雑観】

15-18歳の部男子
竹原佳吾(東京・早稲田大1年)
竹原佳吾(東京・早稲田大1年)
三橋颯太朗(長野・佐久長聖高3年)
三橋颯太朗(長野・佐久長聖高3年)
15-18男子代表・竹原(右)と三橋
15-18男子代表・竹原(右)と三橋
 15-18歳の部男子は、首位スタートの三橋颯太朗(長野・佐久長聖高3年)がインスタートで3バーディーを奪うなど、一時4アンダーとして独走態勢になった。日本代表圏内の2位争いは混戦となったが、三橋が「リードして緊張してしまった」と、折り返した1番でダブルボギー、3番から3連続ボギーで崩れ、優勝争いも混とんとした。
 その中で竹原佳吾(東京・早稲田大1年)が粘り強いゴルフをみせ,通算3オーバー147でフィニッシュ。三橋は何とか粘って同じく3オーバーでホールアウトした。この時点で、世界ジュニア日本代表はこの2人に決まった。優勝を決めるプレーオフは、1ホール目の10番で三橋が第2打をバンカーに入れ、出ただけで第4打のアプローチも3メートルと寄り切らなかった。第2打で奥に外した竹原がボギーに収め、ボギーパットを外した三橋を破って優勝を果たした。 2人は同じ中学(森村学園中等部)の先輩後輩で、同じコーチに師事している間柄。月2,3回は顔を合わせているという。
 竹原は「途中で3位が4オーバーと知って、何とか3オーバーで上がろうと思った。全体的にはそんなに悪いゴルフではなかった」と振り返った。2019年にこのカテゴリーで代表になったが「その時はトーリーパインズGCが(2021年全米オープンに向けて)工事中で、サウスコースでできなかった。年齢が今年最後なので、やってみたいと思っていました」と話した。初代表の三橋は「せっかくなら優勝したかった。後半は力が入ってしまった」と悔しがったが「トーリーパインズはテレビでしか見たことがないコースなので楽しみです」と目を輝かせた。
15-18歳の部女子
安西歩美(茨城・土浦日大高1年)
安西歩美(茨城・土浦日大高1年)
成田瑛麻(東京・学習院高等科3年)
成田瑛麻(東京・学習院高等科3年)
15-18女子代表・安西(右)と成田
15-18女子代表・安西(右)と成田
 15-18歳の部女子は、安西歩美(茨城・土浦日大高1年)が通算5オーバー149で逆転優勝し、2位争いを制した成田瑛麻(東京・学習院高等科3年)とともに日本代表となった。
 2人とも首位に2打差でスタート。9番でバーディーを奪った成田が前半を終えて首位に立ち、安西は1打差で続いた。後半は各選手のスコアを崩す中、安西がパープレーにまとめ、スコアを落とした成田に3打差をつけて優勝を飾った。
 安西は「余裕のないゴルフというか、チャンスにつくんですけど入らなかった」と振り返った。日本代表に手にできたのは「2日間、ミスをしても落ち着いてプレーできたので、大たたきがなかった。ドライバーが安定していたので、パーオン率がよかったと思う」と振り返った。世界ジュニアに向けては「上位に入れるように、アプローチとパターを練習していきたい」と課題を挙げた。
 成田は「前半1位で折り返したのに13番でOBのダブルボギーにしてしまって…。15番で2位と知ってから1.5メートルぐらいのパーパットも全部入れた」と執念を見せた。この2日間はショットに不安があって「恐怖しかなかった」と、振り切れなかったという。世界ジュニアに向けて「ダイナミックに打っていた時を思い出します」と話していた。
13-14歳の部女子
中嶋月葉(兵庫・宝梅中3年)
中嶋月葉(兵庫・宝梅中3年)
13-14女子代表・中嶋(右)と小宮
13-14女子代表・中嶋(右)と小宮
姉妹同時日本代表を決めた13-14歳の部女子優勝の中嶋月葉(右)と7-8歳の部女子優勝の雪音
姉妹同時日本代表を決めた13-14歳の部女子優勝の中嶋月葉(右)と7-8歳の部女子優勝の雪音
 13-14歳の部女子は、中嶋月葉(兵庫・宝梅中3年)が通算9オーバー153で並んだ小宮千愛(愛知・南山学園聖霊中3年)とのプレーオフを制して優勝した。
 首位タイでスタートした小宮が安定したプレーで首位をキープして後半に入った。中嶋が10番で「お先に、というぐらいのバーディーを取れた」と、リズムをつかんだ。この時点で小宮に4打差あったが、小宮が後半ダブルボギー2つなどで徐々に後退。代表争いは混とんとした。中嶋は13番でもバーディーがきて抜け出した。小宮は17番で「これを入れないとやばいと思った」という1.5メートルのパーパットをねじ込み、ともに3位に1打差でホールアウト。プレーオフでは中嶋が4メートルのバーディーを奪って1位で日本代表の座を手にした。
 プレーオフで敗れた小宮は「米国に行けるのはうれしいけど、負けたのが悔しい」と喜び半分の表情。これまで何度も決勝大会で跳ね返されてきたが、念願の日本代表切符を手に入れ「学校のみんなも『いいな』と言ってくれる。あきらめないゴルフをしたい」と話した。
 逆転で日本代表をつかんだ中嶋は「うれしすぎて、まだ実感がわいていないんです。世界ジュニアのイメージもわかないです」と笑顔を見せた。その中嶋をさらに喜ばせたのが、妹の雪音(兵庫・宝塚第一小3年)が、7-8歳の部女子でこちらもプレーオフを制して、このカテゴリーでは1枚しかない日本代表切符をつかんだ。2011年から日本代表選抜大会による日本代表選手団での参加形式になってからは、姉妹同時出場は初めてになる。妹の結果を待っていた中嶋は「一緒に行けてうれしい」といい、妹は「お姉ちゃんと行けるのが楽しみ。一緒に練習して、一緒にハンバーガーを食べる」と、姉妹で笑顔を見せていた。
13-14歳の部男子
13-14男子代表・渋井(右)と粟野
13-14男子代表・渋井(右)と粟野
 13-14歳の部男子は、渋井晃太郎(神奈川・永田中3年)が5アンダー67で回る圧巻のゴルフで通算2アンダー142とし、他を寄せ付けずに優勝した。粟野泰成(茨城・国府中3年)が通算7オーバー151で2位に入って日本代表入りした。
 7バーディー、2ボギーのゴルフを見せた渋井は「FWキープがあまりできなかったけど、セカンド、パターがよかった。チップインバーディー2つは初めてです」と振り返った。スタート10番で45ヤードの第2打が直接入ってバーディー発進。3番ではグリーン左のラフから12ヤードほどを入れた。「調子よかったので攻めのゴルフをしました」というが、上のカテゴリーでも苦しんだ難コースを攻略して、堂々の日本代表となった。
 首位タイでスタートした粟野は「緊張しました」と、インを2ボギー。渋井に早々に抜かれたが、2位争いでは踏ん張った。18番では木の間を抜ける第2打でバーディーを奪い、折り返し手からは6番パー5で第2打をグリーン横まで運んでバーディー。後続が崩れて2位を確保した。
 渋井は2018年に9-10歳の部で日本代表として世界ジュニアを経験したが、42位に終わっている。「今回は楽しく、真面目に攻めのゴルフをしたい」と話した。粟野は「これまで全国大会とか、高い壁だと思っていたけど、やっと越えられた。セカンドショットの精度を上げて臨みたい」とステップアップを実感して意気込んでいた。

 

【大会コメント】

根本悠誠(千葉・加茂学園中1年)
根本悠誠(千葉・加茂学園中1年)
◇11―12歳の部男子優勝の根本悠誠(ゆうま、千葉・加茂学園中1年)◇
「(混戦に)ドキドキした。負けたくないと思った。前半4ホールで5打差つけられて、やばいと思った。自分が耐えてスコアを落とさないようにと思った。今回はピンポジションが難しかったけど、ドライバーがまっすぐ行ったことと3パットがなかったから勝てた。世界ジュニアは2回(2016年U6,2018年7-8歳の部)優勝しているから、今度も目標は優勝」
福崎凛々(大阪・日根野中1年)
福崎凛々(大阪・日根野中1年)
◇11-12歳の部女子優勝の福崎凛々(大阪・日根野中1年)◇
「後半になってショットとパターが良くなりました。1番で1クラブぐらいについて、3番で手前から15ヤードぐらいをチップインした。(首位の飯田に)早く追いつきたいと思った。8番で並んで、9番で抜いたけど、逆転できるとは思っていなかった。世界でどれだけ活躍できるか、試してみたい」
稲葉輝海(東京・青梅第三小4年)
稲葉輝海(東京・青梅第三小4年)
◇9―10歳の部男子優勝の稲葉輝海(るきあ、東京・青梅第三小4年)◇
「最後まであきらめない自分のゴルフができました。後半、1番で41ヤードをチップインした。びっくりした。でかいかなと思ったらスピンしてポトンと入りました。世界ジュニアまでに英語を覚えないといけないと思います。試合ではいっぱい楽しみたい」
本村彩歌(兵庫・小浜小4年)
本村彩歌(兵庫・小浜小4年)
◇9-10歳の部女子優勝の本村彩歌(兵庫・小浜小4年)◇
「(佐野心咲、宇津木さやかとの3人のプレーオフで)3メートルのパーパットが入って勝った。今日は前半はショットが良くてアプローチも寄った。後半はショットが左に行って、バンカーにも入れちゃった。世界ジュニアでは、とりあえずパーのゴルフをする」
吉松優馬(兵庫・塩屋北小2年)
吉松優馬(兵庫・塩屋北小2年)
◇7―8歳の部男子優勝の吉松優馬(兵庫・塩屋北小2年)◇
「めちゃくちゃ、うれしいです。昨日(首位スタート)の2倍うれしい。今日よかったのはアイアン。パーオンが多かった。18番パー5でセカンド5番アイアンで1メートルぐらいに寄って、イーグルを取った時に、勝ったと思った。後半は狙いに行ってボギーをたたかないようにした。世界ジュニアでは、ホテルのプールで泳ぎたい」
中嶋雪音(兵庫・宝塚第一小3年)
中嶋雪音(兵庫・宝塚第一小3年)
中嶋雪音(兵庫・宝塚第一小3年)
◇7-8歳の部優勝女子優勝の中嶋雪音(兵庫・宝塚第一小3年)◇
「(村上聖奈との)プレーオフは初めてだった。10歩ぐらいにパーオンして勝った。うれしかった。パパとグータッチした。今日はそんなにいいゴルフじゃなくて、バンカー・トゥ・バンカーもしたし、パターがショートしていた。世界ジュニアにお姉ちゃん(13-14歳の部月葉)と一緒に行けるのが楽しみ。たくさんバーディーを取りたい」