<Uswing Mojing世界ジュニアゴルフ選手権 第2日>
岩永姉妹が、初の「姉妹同時優勝」の快挙に王手をかけた。15-18歳の部の姉・杏奈(大阪・大阪桐蔭高2年)はこの日64の快スコアをマークし、通算5アンダー139で前日66位から一気に首位に並んだ。13-14歳の部で前日67の2位と好発進した妹・梨花(りんか、兵庫・塚口中2年)はこの日も5アンダー68で回り、通算11アンダー135で首位に並んだ。
女子は低年齢カテゴリーでも優勝争いを演じている。7-8歳の部で小澤蘭(東京・幸小3年)が1位、大竹紗楽(愛知・長久手東小3年)が2位につけている。11―12歳の部では、本村彩歌(兵庫・宝塚中1年)が1位に並んでいる。
男子では、13-14歳の部の高柳大河(愛知・鳴海中2年)が7アンダー64をマークし、通算9アンダーで首位に1打差2位に浮上した。その他のカテゴリーでも上位進出の可能性を残して最終日を迎える。
◆Uswing Mojing世界ジュニアゴルフ日本代表選手団第2日成績
▽7-8歳男子(シンギングヒルズGCオークグレンC=4477ヤード、パー73)
【1位】エドック(フィリピン)=143
【10位】清水奏雅(愛知・西陵小3年)=155
【10位】周参見悠生(大阪・奥坂小3年)=155
▽7―8歳女子(シンギングヒルズGCオークグレンC=4144ヤード、パー72)
【1位】小澤蘭(東京・幸小3年)=150
【2位】大竹紗楽(愛知・長久手東小3年)=151
【9位】髙森心花(茨城・息栖小3年)=161
▽9―10歳男子(シャドー・リッジGC=5037ヤード、パー72)
【1位】アンダーソン(米国)=136
【7位】久保山友斗(愛知・荻谷小4年)=143
【19位】額賀大雅(茨城・学園の森義務教育学校5年)=149
【23位】佐伯嶺斗(大阪・錦小5年)=150
【23位】山田光之助(沖縄・嘉芸小4年)=150
【30位】近藤大河(千葉・加茂学園5年)=151
▽9-10歳女子(シンギングヒルズGCオークグレンC=4649ヤード、パー72)
【1位】粥川愛莉(日本)=135
【6位】常住美結(千葉・中野木小4年)=141
【6位】村上聖奈(兵庫・逆瀬台小5年)=141
【27位】南愛美(千葉・加茂学園4年)=150
▽11―12歳男子(エル・カミノCC=5893ヤード、パー72)
【1位】ロドリゲス(米国)=140
【13位】福井誠ノ介(愛知・春木中1年)=145
【30位】稲葉輝海(東京・霞台中1年)=149
【55位】高瀬莉空(香川・高松第一中1年)=153
▽11―12歳女子(ザ・ハイツGC=5655ヤード、パー72)
【1位】本村彩歌(兵庫・宝塚中1年)=138
【1位】ピアウォラサック(タイ)=138
【4位】大栗愛珠(千葉・暁星国際中1年)=141
【4位】高橋なつ希(東京・入新井第五小6年)=141
【4位】道上稀唯(兵庫・滝川第二中1年)=141
▽13―14歳男子(ラ・ヴァレ・コースタルC=6452ヤード、パー71)
【1位】シモシタ(米国)=132
【2位】高柳大河(愛知・鳴海中2年)=133
【8位】小澤優仁(東京・府中浅間中2年)=139
【17位】吉行ローリ(広島・高屋中2年)=141
【24位】宮城ジョセフ(沖縄・Hope international academy3年)=142
【47位】田子吏央斗(埼玉・埼玉栄中2年)=145
【75位】廣木直翔(佐賀・香楠中3年)=148
▽13―14歳女子(CCランチョ・ベルナルド=5959ヤード、パー73)
【1位】岩永梨花(兵庫・塚口中2年)=135
【1位】ソード(インド)=135
【5位】竹田妃菜(奈良・王寺北義務教育学校2年)=138
【9位】工藤夏姫(青森・根城中2年)=142
【9位】山本智亜紗(兵庫・山手台中3年)=142
【20位】佐藤心裕(兵庫・有野北中3年)=146
▽15―18歳男子(トーリー・パインズGCサウスC=7260ヤード、パー72)
【1位】オベーレ(オーストラリア)=141
【1位】オオタニ(米国)=141
【11位】渋川煌(大阪・大阪学院大高3年)=144
【17位】中山大生(千葉・千葉黎明高3年)=146
【45位】吉行アムロ(広島・広島国際学院高1年)=150
【55位】高浦維吹(千葉・昭和中3年)=151
【66位】小谷海斗(東京・代々木高3年)=152
【147位】西山陽斗(香川・四国学院大香川西高3年)=159
▽15―18歳女子(トーリー・パインズGCノースC=6236ヤード、パー72)
【1位】岩永杏奈(大阪・大阪桐蔭高2年)=139
【1位】バティア(インド)=139
【5位】仁科優花(千葉・第一学院高1年)=142
【5位】佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高1年)=142
【22位】田村萌来美(茨城・ルネサンス高3年)=145
【22位】西澤美李(東京・共立女子第二高3年)=145
【84位】中山凜花(愛知・中部大第一高2年)=151
【協会広報ライター・赤坂厚】
雑観
15-18歳の部女子
15-18歳の部女子で、JGAナショナルチームの岩永杏奈(大阪・大阪桐蔭高2年)が、試合では自己最多となる9バーディー(1ボギー)を奪って8アンダー64のビッグスコアをたたき出し、通算5アンダーで前日66位の出遅れから一気に首位タイに浮上した。
初日はパッティングのラインに苦しんで4連続ボギーなど「想定外」のミスが重なって75をたたいた。この日は「ショットの調子が良くて、ショットで取ったバーディーでした。パットも短いのを入れられた」と振り返った。
5番でバーディーが先行したが、6番でボギーにしてなかなかきっかけがつかめなかった。8番パー3で6番アイアンで1メートルにつけてから波に乗った。9番で3メートル強が入り、折り返して10番でも3メートル弱を入れる3連続バーディー。12、13番ではともに1メートルにつけ、14番では110ヤードの第2打が「入りそうになって」30センチにつけて2度目の3連続バーディーと、完全にゾーンに入った感じだ。締めは17番2メートル、18番1メートルでインは6バーディーの30でハーフ自己ベストになった。
「昨日のことがあったので、いつ崩れてもおかしくないと思って、短いパットも慎重にやった」と、冷静さもあった。「優勝を狙えるところに来たと思います。最終日は今日の後半のようにうまくはいかないかもしれないけど、バーディーをちゃんと取っていきたい」と話した。
13―14歳の部女子
13―14歳の部女子で、竹田妃菜(奈良・王寺北義務教育学校2年)が5アンダー68で回り、通算8アンダーとして首位の岩永梨花(りんか、兵庫・塚口中2年)から3打差の5位と好位置につけた。
「1番で3メートルのバーディーが取れて、流れがよくなるかと思ったんですけど、ドライバーが右に曲がって」とそこから伸び悩み、7番ではボギーもたたいた。チャンスホールの9番パー5で3打目を1メートルにつけてバーディー。1つ伸ばして折り返してから流れをつかんだ。
「昨日も後半で伸ばしたので今日も伸ばそうと思った」という。12番50センチ、14番パー5で1メートルにつけてバーディーにした。17番パー3では番手に迷って手前のピンに対して奥の段に乗せてしまったが、13メートルほどが入ったのが大きかった。最終18番パー5では3打目のアプローチを1メートルに寄せてインで4つ目のバーディー。思惑通りの展開に「1ホール1ホール、バーディーを取っていこうと思ってやりました」と話した。
この日は5つのパー5のうち4つでバーディーを取った。「パー5で取れたのがよかった。特に3打目のアプローチがよかった」と振り返った。初挑戦の世界ジュニアで、優勝争いに突っ込んできた。
大会前のレジストレーションの際に、主会場のトーリー・パインズGC練習グリーンで行われていたパッティングコンテストテストに出場。トロフィーが届けられて、1位だったことが分かった。思わぬ前祝にもなり「明日も今日と一緒で、1ホール1ホール、バーディーを狙ってプレーしたい。1位を目指します」と、意気込みを見せていた。
15―18歳の部男子
15―18歳の部男子の渋川煌(大阪・大阪学院大高3年)が、全米屈指の難コースで、このカテゴリーの今大会日本代表では最初のアンダーパー、3アンダー69をマークし、通算イーブンパーに戻して前日49位から一気に11位に浮上した。
「今日はイーブンで回って少しでも順位を上げられたらと思ったら、思ったよりスコアが出てくれた。今日はショットが悪くてパーオン率50%だったけど、5回入れたバンカーから全部パーセーブできた」と笑顔を見せた。
9番からスタートした前半10ホールはグリーンを外しながらも耐えてパーを積み重ねた。アウトに折り返して2番で50センチにつけるバーディーを奪った。6番パー5では第2打を右に曲げたが「そこのラフは浅いのはわかっていたので」と3打目を1メートルに寄せてバーディー。最終8番パー3では「ホールインワンかと思った。指の関節1つ分ぐらいだった」と、カップの縁について3つ目のバーディーを奪った。
PGM日本代表選抜大会の西日本決勝大会では競り負けて1打差3位と日本代表入りを逃したが、辞退があって繰り上がりで出場が回ってきた。「僕でいいのかという気持ちと、代表になれてうれしい気持ちの半々でした」というが、難コースでのアンダーパーは胸を張れる。混戦模様で首位とは3打差、トップ10入りは十分可能な位置。「頑張って入賞を狙って、いい思い出にしたい。自信をつけたい」と話した。
コメント
▽13―14歳男子2位の高柳大河(愛知・鳴海中2年)
「午前中はパットが入らずイライラしていました。お父さん(孝吉さん)から。ピンチは絶えた方がいいと言われて、口笛吹ながらプレッシャーを感じないようにプレーしていました。6番パー5でアプローチでOKにつけて、7番で左10メートルが入って連続バーディーで流れがつかめた。後半は11番OK、12番1メートル弱、15番でお先ににつけて、16番パー5は2オンして、17番で1メートルにつけた。ピンチは14番パー5で3メートルぐらい、最後18番でグリーンオーバーして3~4メートルのパーパットが2つ入りました。64は自己ベストスコアです。ゾーンというか、どんどん上がっていった。海外の試合は意外と自分に合っているようで、雰囲気も楽しいです」
▽13―14歳女子1位の岩永梨花(兵庫・塚口中2年)
「昨日していないこと、3パットを2回もしてしまって、納得していません。9番パー5で2オンしたんですけど、10メートルから4メートルぐらい、びっくりするぐらいオーバーしてしまったり。そこまで4つバーディーで、9番で絶対伸ばせると思っていたんでメンタルをやられて、14番ぐらいまでたたいたしまった(2ボギー)。15番パー5で2オンしてやっとよくなって、上り2ホールバーディーが取れました。出来たら10アンダー出したいと思ったんですけど、ボギーしてから戻すことばっかり考えていました。明日は焦るのはわかっているんで、スコアを数えない。パー5で伸ばして、変なことはしないようにやりたい」
▽15―18歳女子5位の佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高1年)
「前半6ホールまで(3オーバーで)ゴルフやめてやろう、何しに来てんだって思っていました。母(好美さん)から『落ち着け』といわれました。9番パー5で第3打でOKについて落ち着いた。14番でグリーンエッジから直接入って、16番4メートル、17番1・5メートル、18番で左奥から6メートルの3連続バーディーが来ました。歩き疲れていて、バーディー取っても次のホールでは忘れていた。去年(13-14歳の部)と比べて、英語がしゃべれるようになった。海外の試合もあって話す機会が増えたから。明日は焦らず攻めていく。優勝するしかない」