<世界ジュニアゴルフ選手権最終日>
日本代表選手団は女子が大活躍、3カテゴリーで世界一に輝いた。
15―18歳の部は、仁科優花(千葉・第一学院高2年)と佐藤涼音(りの、大阪・ルネサンス大阪高2年)の争いとなり、仁科が通算9アンダー207で佐藤を1打振り切って優勝。3位タイに本村紅音(あかね、滋賀・ECC学園高1年)が入って日本選手団が上位を占めた。
13―14歳の部では、通算12アンダー207で並んだ道上稀唯(きい、兵庫・滝川第二中2年)と熱海ひまり(埼玉・埼玉栄中2年)のプレーオフとなり、7ホール目で道上のバーディーで決着した。3位に大栗愛珠(ありす、米国・ICL Academy8年)が入り、このカテゴリーも日本選手団が上位を独占した。
11-12歳の部では高橋なつ希(東京・大森第二中1年)が通算18アンダー198で3日間首位の完全優勝を飾った。他のカテゴリーでも上位に入った。
男子は優勝こそなかったが、9-10歳の部で増田蓮(埼玉・立野小5年)が3位にはいるなど、各カテゴリーで健闘した。
優勝者には2年間のシード権が与えられ、順位による来年のシード権は大会後に発表となるが、例年実績では15-18歳の部男女10位、その他のカテゴリーは男子6位、女子5位以内となっている。
◆世界ジュニアゴルフ日本代表選手団最終成績
▽7-8歳男子(ミッション・ベイGC=2716ヤード、パー58)
①ベリー(カナダ=176
③坂倉準(大阪・榎本小3年)=181
⑥山田英聖(沖縄・嘉芸小3年)=185
▽7―8歳女子(ミッション・ベイGC=2714ヤード、パー58)
①スリチャポーン(タイ)=178
⑤河村成紗(愛知・長久手西小3年)=188
⑧若杉糸奈(大阪・島屋小2年)=199
▽9―10歳男子(シンギング・ヒルズGRオーク・グレンC=5223ヤード、パー73)
①ミッチェル(米国)=207
③増田蓮(埼玉・立野小5年)=214
④山田光之助(沖縄・嘉芸小5年)=215
▽9-10歳女子(シンギング・ヒルズGRオーク・グレンC=4648ヤード、パー72)
①ムンド(フィリピン)=206
④南愛美(千葉・加茂学園5年)=211
⑤常住美結(千葉・中野木小5年)=212
⑥羽様希空(岡山・山陽小4年)=213
⑬小澤蘭(東京・幸小4年)=220
⑯大竹紗楽(愛知・長久手東小4年)=222
㉙髙森心花(茨城・息栖小学校4年)=228
▽11―12歳男子(エル・カミノCC=5884ヤード、パー72)
①シェン(タイ)=207
⑤藤原諒星(愛媛・川之江北中1年)=215
⑤鈴木大和(広島・幸千中1年)=215
▽11―12歳女子(ザ・ハイツGC=5653ヤード、パー72)
①高橋なつ希(東京・大森第二中1年)=198
④佐々木夕奈(岐阜・東可児中1年)=212
⑪安藤すみれ(岡山・香和中1年)=219
▽13―14歳男子(ザGCオブ・カリフォルニア=6385ヤード、パー71)
①マウジー(米国)=206
⑧中多一翔(愛知・高浜中2年)=211
⑯福井誠ノ介(愛知・春木中2年)=215
㊱高柳大河(愛知・鳴海中3年)=220
㊱北本太一(奈良・郡山西中3年)=220
56市瀬空留(三重・一身田中3年)=224
106矢吹侑大(千葉・大山口中3年)=233
▽13―14歳女子(CCランチョ・ベルナルド=5960ヤード、パー73)
①道上稀唯(兵庫・滝川第二中2年)=207
②熱海ひまり(埼玉・埼玉栄中2年)=207
③大栗愛珠(米国・ICL Academy8年)=209
⑥本村彩歌(兵庫・宝塚中2年)=215
⑫寺岡虹(広島・府中学園9年)=219
⑫阿部歩望(神奈川・東海大学付属相模高校中等部2年)=219
⑱岩永梨花(兵庫・塚口中3年)=221
㉗斎藤美雅(埼玉・朝霞市立第二中2年)=225
※1、2位はプレーオフによる
▽15―18歳男子(トーリー・パインズGCサウスC=7248ヤード、パー72)
①イグナチオス(米国)=210
⑫清本貴秀(福井・福井工業大福井高3年)=219
55竹田亮太(千葉・千葉黎明高3年)=226
123宮城ジョセフ(沖縄・エナジックスポーツ高等学院1年)=235
153大西晃盟(兵庫・滝川第二高3年)=241
▽15―18歳女子(トーリー・パインズGCノースC=6217ヤード、パー72)
①仁科優花(千葉・第一学院高2年)=207
②佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高2年)=208
③本村紅音(滋賀・ECC学園高1年)=212
⑫竹田妃菜(滋賀・ECC学園高1年)=216
㉙山下萌寧(滋賀・ECC学園高1年)=220
㉙杉田琉羽(大阪・大阪桐蔭高3年)=220
㊳野口笑里(岐阜・麗澤瑞浪高2年)=222
67西澤美李(埼玉・早稲田大1年)=228
74黒須愛生(茨城・ルネサンス高2年)=229
【協会広報ライター・赤坂厚】
雑観
15-18歳の部女子
15-18歳の部女子で、仁科優花(千葉・第一学院高2年)が佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高2年)との日本代表対決を1打差で制して、通算9アンダー207で世界一に輝いた。2024年に13―14歳の部で優勝しており、高年齢の2カテゴリーでの優勝となった。団体を組んだ佐藤とのワン・ツーフィニッシュで団体戦も制し、2冠を達成した。
首位コール(シンガポール)に3打差、佐藤と1打差の3位でスタート。まず佐藤が1,2番連続バーディーで飛び出し、コールが2つのボギーで序盤に後退。首位に立った佐藤は5番ボギー、7番ダブルボギーで後退し、代わって仁科が5、7、8番と前半3つのバーディーで通算9アンダーとして一気に抜け出した。
後半、仁科はパーを積み重ねた。佐藤が16、17番連続バーディーで1打差に迫って迎えた最終18番。仁科はグリーン左に外し、佐藤は手前5メートルにのせた。仁科は波打つグリーンの25ヤードほどのアプローチを「傾斜なりに転がした。寄るイメージがあった」と50センチ弱に。佐藤のバーディーパットが外れ、仁科がウイニングパットを沈めた。
昨年は1打差で岩永杏奈の逆転に涙をのんだ。「去年は1打届かず悔しかった。今年は追いかける展開で3打差あったけど自分を信じてやれました。以前なら抜かしたら守りに入っていただろうけど、今年はあまり気にせず集中できた。成長できたと思います」と、同じ1打差でも今回は「勝利」を振り返った。
今年は日本での試合で結果を出せずにいた。「悔しくて、どうすれば通用するか考えて練習してきた」という。「米国の芝は特有なんですが、私は慣れている感じがします」と、自信の回復には米国、世界ジュニアという舞台が合っていた。「今日みたいに最終組でも気持ちのトラブルなく行けたのは、自信につながります」と、いい経験を積めた。
15-18歳の部女子
15-18歳の部女子で、佐藤涼音(りの、大阪・ルネサンス大阪高2年)が仁科優花(千葉・第一学院高2年)に1打及ばず、2位に終わった。
スタートの1番で6メートルを入れ、2番で40センチについての連続バーディーで「いい感じで出られた」と振り返った。首位コールが序盤に後退し、仁科との一騎打ちの様相になった。いったんは首位に立ったが「風があってドライバーが曲がっちゃって」と、3番で右に曲げ、5番では左に曲げてボギーにする。7番では右隣のホールに打ち込み、木の下に行くなどでダブルボギーで後退した。
それでも16番2メートル、17番5メートルの連続バーディーでカムバック。仁科に1打差で最終18番勝負になった。右ラフからピン手前3メートル弱に乗せ、入れればプレーオフの状況まで持ち込んだが「ラインがわからなかった。手が震えました。まっすぐ打ったらフックだった…」と決められなかった。パーで終えると、グリーンサイドで目頭を押さえたが、すぐに笑顔が戻って、ウイニングパットを入れた仁科と健闘をたたえあった。
昨年は1打差でプレーオフの残れず3位、今回は1打差2位と2年連続での惜敗となった。
13-14歳の部女子
13-14歳の部女子は日本代表同士での激戦となった。通算12アンダーで並んだ道上稀唯(きい、兵庫・滝川第二中2年)と熱海ひまり(埼玉・埼玉栄中2年)が7ホールのプレーオフの激闘を演じ、道上がバーディーを奪って決着した。
正規の18ホールでは、前半を熱海1打リードで折り返し、16番まで2つずつのバーディーを取り合った。17番で熱海がボギーにして通算9アンダー207で並び、プレーオフに突入。18番パー5、18番、12番パー3の1セットを2回りしても決着がつかず、7ホール目、プレーオフでは5度目の18番。道上はドライバーがカート道にはねて、残り195ヤードまで行った。5Uで2オンし、熱海は第2打をバンカーに入れて3オン2パットのパー。道上は2メートルのイーグルパットは外したが、楽々バーディーを取り、日本代表同士のプレーオフが決着した。
「めっちゃ、疲れました。ひまりん(熱海)のパターがうま過ぎて、おおーっていう感じでやっていました。でも勝った時は気持ちよかったです」と振り返った道上。2023年9-10歳の部以来の世界一は、厳しい戦いの末につかんだ。
今大会は第1日に2つのイーグルを奪ってトップに立つ派手なスタートだった。大会の成果を聞くと「相手が決めても入れられるメンタルの強さがつきました。なかなか決められなかったイーグルパットも決められた」といい「3日間、1日ボギー1つだったのが大きいです。バーディーをとってもボギーがくる荒れるゴルフだったのが、今回は3日間安定したゴルフをやれました」と、多くの収穫を得た様子だった。
13-14歳の部女子
13-14歳の部女子で、熱海ひまり(埼玉・埼玉栄中2年)は通算12アンダーで並んだ道上稀唯(きい、兵庫・滝川第二中2年)とのプレーオフで7ホール目に屈した。
「初めてのプレーオフ。7ホール耐えた自分をたたえたいです」とかみしめるように話した。18番パー5、18番、12番をセットに回るプレーオフ。1ホール目でイーグルを外して引き分けてから、バーディー、パー、パー、バーディー、パーで引き分けて、3周り目、7ホール目の18番で第2打をバンカーに入れてパーに終わり、バーディーの道上に敗れた。
「今日もパターに救われました」と振り返った。正規の18ホールでは、1番パー5をバーディーで出て、5バーディー、2ボギーの3アンダーとスコアを伸ばした。11番のバーディーで一時は2打差リードしたが「14番のパー5を外したのが響いた」と道上を突き放せず、17番の自らのボギーで追いつかれてのプレーオフだった。
「練習ラウンドを入れて歩きで5ラウンドは初めてだったし芝の違いも経験した。楽しかったです」と笑顔も出た。来年のシード権を確実にし、15―18歳の部とカテゴリーが上がる。「次も10位以内」と早くも次年のシード権獲得を目標に置いていた。
11-12歳の部女子
11-12歳の部女子は、高橋なつ希(東京・大森第二中1年)が第1日からの首位を守り、通算18アンダー198で完全優勝を果たした。
2位アンナ・ポンハサイクル(タイ)に7打差をつけての最終日。独走と思われたが、ポンハサイクルが7ホールで5バーディーの猛チャージで「向こうの流れになってしまった」と振り返った。後半10番でこの大会初ボギーをたたくなど一瞬ヒヤリとさせられたが、13番パー5で3メートルに2オンし、イーグルを奪ったところで勝負がついた。終わってみれば6打差をつけての優勝に「優勝したかったので、ただただうれしかった」と笑顔を見せた。
ボギーを打たないことを目標にしている。この日も「ボギーになりそうなところを耐えられた」といい「3日間でボギー1つだったのが18アンダーにつながったと思います」と振り返った。2024年に9-10歳の部を制しており、これで2カテゴリー連続の世界一。「優勝のシードが切れるので、今年はチャンスイヤー(同カテゴリーで上の年齢の年)なので、また2年シードを取れてすごくうれしいです」と笑顔を見せた。
7-8歳の部で来たころは、米国の気候に慣れず、暑さで体調を崩したこともあったという。「もう米国の環境に慣れました。気持ちもだいぶ強くなったと思います。同組の選手と積極的にコミュニケーションをとれたのがよかった」と、成長を実感した大会になった。
9-10歳の部男子、7-8歳の部男子
山田光之助(沖縄・嘉芸小5年)、英聖(沖縄・嘉芸小3年)が兄弟で来年のシード圏内(例年6位以内)に入った。
9-10歳の部男子の光之助は11位スタートから猛追。1番で5メートルを入れると前半4バーディーで折り返した。後半は13番でボギーとして勢いが止まり、目標の優勝には届かなかったが、順位を4位まで上げて、来年のシード権を確実にした。
「第1日(78)のことがあるから、2日間9アンダーを出せたのはけっこういい方だと思う。第1日終わって(キャディーの)お母さんから今日は仕方ないと言われて、第2日からぶちかまそうと思った」と話した。来年は1つ上のカテゴリーになり「キャディーがいなくなってもできるように考えてゴルフをやりたい」と意欲を見せた。
7-8歳の部男子の英聖は同じ日本代表の坂倉準(大阪・榎本小3年)と5位からスタート。「(坂倉が)1番でバーディーだったので、動揺しちゃって、ショットをダフったりして」と前半4つのボギーをたたいた。それでも粘って16番でバーディーを取るなど耐えた。スコアをおとしたが、来年のシード権の目安となる6位で終えた。
「うれしすぎて、サイコー」とはしゃぎ、「来年は優勝できるように頑張る」と気を取り直していた。


























