<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 西日本決勝大会>

第1日

 15―17歳の部男子は、西脇まあく(大阪・興国高2年)が1オーバー73で回り、河本力(愛媛・松山聖陵高2年)に1打差で首位にたった。2打差3位に沢田新(石川・金沢学院高1年)落合凌(香川・高松北高1年)井上達希(神奈川・聖光学院高2年)が並び、混戦模様になっている。同女子では、奥山友梨(熊本・熊本国府高1年)が1オーバー73で首位発進。1打差で平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)、2打差で昨年の世界ジュニア代表の園田結莉亜(大分・大分中3年)と後藤田寧々(香川・香川西高3年)が続いている。13―14歳の部男子は上久保拓海(京都・木幡中2年)が10メートル以上のバーディーパットを2発決めて3オーバー75で回り、松田正史(熊本・花陵中1年)に1打差でトップ。同女子では、昨年の世界ジュニア代表の長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)と比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)が4オーバー76で首位を並走している。

 大会は2日間36ホールの合計ストロークで争い、15―17歳、13―14歳の部男女は各2人、11―12歳の部以下の男女各3部門は各1人が日本代表に選抜され、世界ジュニア(7月12~15日、米サンディエゴ)に出場する。
【協会広報ライター・赤坂厚】

大会雑観

15―17歳の部男子
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西脇まあく(大阪・興国高2年)
西脇まあく(大阪・興国高2年)が1オーバー73にこらえて、首位に立った。「コース設計者の言葉で、バーディーは取りにくいけどパーは取れるって書いてあったので、その通りだと思いました」という。2,4番でボギーが先行したが、5番でバーディーを取った後は16番までパーをセーブ。17番で8メートルのバーディーパットを残したが、同伴競技者のアプローチが「自分のラインとほぼ同じだったのでラッキーだった」と、2つ目のバーディーにつなげた。1月の沖縄予選からの進出。「時間があったので、試合にいくつか出て調整した」という。パットが得意で「このコースは外してもアプローチ、パットで拾えるので好きです」という。最終日も「狙って取れるコースじゃないので、我慢してチャンスを待ちたいです」と、無理せずに世界を目指す。
15―17歳の部女子
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奥山友梨(熊本・国府高1年)
奥山友梨(熊本・国府高1年)が安定したゴルフをみせて1オーバー73で回り、首位スタートを切った。「ショットがよくて、取れそうだと思ったところでバーディーが取れた」と振り返る。インスタートの13番で2メートル、15番で4メートル、5番パー5では第3打を1メートルにつける3バーディーを奪い、チャンスを確実にものにした。ドライバー飛距離が250~260ヤードと「飛距離が出る方なので、飛ばして、チョコンを打ってチャンスにして簡単にバーディーが取れるゴルフが目標」という。まだパターに不安があるので「そう簡単にはいきません」と笑った。決勝大会には初めて進んできた。「予選は3回ぐらい出たんですけど。やっぱりうまい人がいっぱいいると思った」という中での首位。「自信はあんまりないですけど、最終日はバーディーをたくさん取りたいです」と、思い描いていた。
13―14歳の部女子
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長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)
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比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)
長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)と比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)が、4オーバー76で首位に並んだ。長谷川は「12個もバーディーパットを逃した。全部3メートルぐらい。ショットがよかったのに、心が折れました」と、唇を尖らせた。インスタートの最終9番でその3メートルが「ようやく入って」1バーディー。2013、15年と世界ジュニア代表になっており、今回は3度目の代表入りを狙う。「ショットはそのまま、パターが入るようにしたい」と最終日をにらむ。一方、比嘉は3年連続の決勝大会で初の日本代表を目指す。インスタートの15番パー3で「5番アイアンでOBにしてしまって」とダブルボギーが先行したが「アプローチがよかった」と、グリーンを外したうち6回を1パットのパーでしのいだのがスコアにつながった。「今度こそ世界に行きたいです。去年よりは自信があります」と、こちらは3度目の正直を目指す。

最終日

 IMGA世界ジュニアゴルフ選手権(7月12~15日、米サンディエゴ)に出場する日本代表14人が決まった。高年齢層では代表を争う3部門と優勝を争う1部門でプレーオフが行われるなど、白熱した戦いが繰り広げられた。15―17歳の部男子は、河本力(愛媛・松山聖陵高2年)が通算3オーバー147で1位となり、代表となる2位争いは通算5オーバーで並んだ3人のプレーオフで西脇まあく(大阪・興国高2年)が2ホール目で抜け出した。同女子は、平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)が通算3オーバーで制し、1打差2位のプイレーオフで奥山友梨(熊本・熊本国府高1年)が日本代表を射止めた。13―14歳の部男子は松田正史(熊本・花陵中1年)が通算4オーバーで圧勝し、2位争いはプレーオフで豊里裕士(沖縄・恩納中3年)に決まった。同女子では、9オーバーで並んだ比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)と長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)が日本代表となり、順位を争うプレーオフは比嘉が制した。

 世界ジュニアシード選手を除く残る日本代表14人は、東日本決勝大会(4月23、24日、茨城・美浦GC)で決定する。

 IMGA世界ジュニアゴルフ選手権日本代表は以下の通り。

15~17歳の部
【男子】 【1位】河本力(愛媛・松山聖陵高2年)=147
【2位】西脇まあく(大阪・興国高2年)=149
【女子】 【1位】平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)=147
【2位】奥山友梨(熊本・熊本国府高1年)=148
13~14歳の部
【男子】 【1位】松田正史(熊本・花陵中1年)=148
【2位】豊里裕士(沖縄・恩納中3年)=156
【女子】 【1位】比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)=153
【2位】長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)=153
11~12歳の部
【男子】 【1位】縄田領一(山口・高川学園中1年)=156
【女子】 【1位】杉浦愛梨(愛知・高浜中1年)=151
9~10歳の部
【男子】 【1位】橋本拓英(三重・南が丘小4年)=163
【女子】 【1位】清本美波(愛知・向山小5年)=156
7~8歳の部
【男子】 【1位】梶谷駿(岡山・総社東小3年)=140
【女子】 【1位】豊田ヒカル(熊本・築山小3年)=174
※同スコアはプレーオフによる
【広報ライター・赤坂厚】

大会雑観

15-17歳の部男子
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河本力(愛媛・松山聖陵高2年)
河本力(愛媛・松山聖陵高2年)が、通算3オーバー147の1位で世界ジュニア日本代表入りし「安心しました」と笑顔を見せた。1打差2位からのスタートに「目標はイーブンパー。優勝に絡んでいるのは分かっていたので、ボギーにしても焦らずやろうと思った」という。インスタートの12番で先にバーディーが来て楽になった。折り返して1番で右の林に入れてダブルボギーにしたときは「さすがにちょっと焦りました。でもがっつかずに自分の気持ちをコントロールできたかなと思います」と振り返った。「海外でゴルフをするのは初めて。特に米国でゴルフをするのがあこがれでした」と夢が1つかなった。一昨年13―14歳の部を制した杉原大河(世界ジュニアシード選手)とは大の仲良しで「一緒に行こうといわれていたので約束を守れた。優勝を目指して頑張りたい」と意気込んでいた。
15-17歳の部女子
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平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)
平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)が、最終18番で逆転して1位で世界ジュニア日本代表になった。1打差をつけられていた奥山友梨(熊本・熊本国府高1年)が最終ホールで池に入れるダブルボギー。パーで収めて1打抜け出した。「2日間だと、いつも初日よくて最終日に80とかたたいていた。前半39で折り返して、同じパターンになりそうだった」と振り返る。11番で奥5メートルを入れ、12番でも3メートルを入れて奥山を追走。17番のバーディーで1打差に迫ったことで逆転劇が生まれた。「世界ジュニアでも今日の後半のようなゴルフをしたい。4日間大会は初めてなので、まずは予選を通ること」と、初の世界舞台に臨む。
13-14歳の部男子
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松田正史(熊本・花陵中1年)
松田正史(熊本・花陵中1年)が1打差2位でスタートしてイーブンパー72をマークし、通算4オーバー148にまとめ、2位に8打差をつける圧勝で世界ジュニア日本代表になった。「おもしろかった。きょうは崩れちゃいけないと思ってプレーした」という。インスタートの17番パー3で池に入れ、3打目も手前エッジにショートしたが「まっすぐなラインで自信があった」と10ヤードほどを直接入れてボギーでしのいだ。2番ボギー後、4番、6番で1メートルにつけて2バーディーを奪った。それでも慎重にプレーし、最終9番パー5の第2打をうまく刻んだところで「確実に優勝と思った」という。「優勝できていい気分です。世界にいけるなんて信じられないけど、行くからには優勝を狙いたい。悪い結果でもいい経験になると思う」と、世界との戦いを楽しみにしている。