<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 西日本決勝大会最終日>

 IMGA世界ジュニア(7月9~12日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表14人が決まった。

 この日は強風が吹き荒れる悪コンディションとなり、各選手はスコアメークに苦しんだ。
その中で、15―18歳の部男子では、前半インを1アンダーで回った亀井壮汰(香川・香川西高3年)が通算4オーバー148で第1日首位の蝉川泰果(宮城・東北福祉大1年)と並び、2人が世界ジュニア代表となった。副賞の男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」出場権をプレーオフで争い、1ホール目のバーディーで勝った亀井が獲得した。

 同女子は、杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)が74にまとめ、通算4オーバー148で1位となり、2年連続世界ジュニア代表を手にした。第1日首位タイだった益田世梨(岡山・岡山理科大付高2年)は通算6オーバーと杉浦に2打差の2位に食い込み、初めての代表となった。

 13-14歳の部男子は前半イーブンパーで追い上げた吉田京介(大分・城北中3年)が通算8オーバー152で1位、2打差2位に新井龍紀(愛知・西部中3年)が入って世界切符を手にした。吉田はAbemaTVツアー「HEIWA・PGM ChallengeⅡ」出場権も獲得した。

 同女子は井ノ下愛華(広島・松賀中1年)が通算10オーバー154で1位、2打差で左奈々(福岡・沖学園隆徳館中1年)が2位となり、ともに初めての世界ジュニア代表となった。

 
IMGA世界ジュニア日本代表は以下の通り。

▽15―18歳の部男子
【1位】亀井壮汰(香川・香川西高3年)=148
【2位】蝉川泰果(宮城・東北福祉大1年)=148
▽同女子
【1位】杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)=148
【2位】益田世梨(岡山・岡山理科大付高2年)=150
▽13―14歳の部男子
【1位】吉田京介(大分・城北中3年)=152
【2位】新井龍紀(愛知・西部中3年)=154
▽同女子
【1位】井ノ下愛華(広島・松賀中1年)=154
【2位】左奈々(福岡・沖学園隆徳館中1年)=156
▽11―12歳の部男子
【1位】進藤太雅(兵庫・鷹取中1年)=162
▽同女子
【1位】酒井理琴(大阪・淡路中1年)=154
▽9―10歳の部男子
【1位】岡村昂汰(兵庫・峰相小5年)=166
▽同女子
【1位】後藤あい(兵庫・甲南小5年)=153
▽7―8歳の部男子
【1位】山本昂生(福岡・筑紫東小3年)=161
▽同女子
【1位】飯田柚月(千葉・金杉台小3年)=151

【協会広報ライター・赤坂厚】
※同スコアはプレーオフによる
※所属は進学校、新学年で表記しています

 

【大会雑観】

雑観1

15―18歳の部男子
男子15-18歳代表の亀井壮汰(左)と蝉川泰果
男子15-18歳代表の亀井壮汰(左)と蝉川泰果
15-18歳の部男子は、亀井壮汰(香川・香川西高3年)と蝉川泰果(宮城・東北福祉大1年)が通算4オーバー148で首位に並び、世界ジュニア代表となった。プレーオフで副賞の男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」出場権を争い、ともに2.5メートルほどのバーディーパットを先に打った蝉川が外し、亀井が決めて出場権を手にした。亀井は強風の中、前半インの11、13番で1.5メートル前後のバーディーが効いて、初めての日本代表。「まだ実感が沸きません。世界ではまだ飛距離が足りないと思うので、トレーニングをしてもう少し飛距離伸ばしていきたい」と今は260ヤードほどのドライバー飛距離のアップを課題に挙げた。蝉川は世界ジュニア出場に代表選抜大会が導入された2011年から挑戦してきた。「今回が最後だったので、優勝したかった。今日は風のジャッジが悪かった」と振り返り、昨年に続く出場に「今日のようなゴルフをしていたら通用しない。初心に返って練習したい」と、最後の世界舞台に準備していく。
15―18歳の部女子
女子15-18歳代表の杉浦愛梨(左)と益田世梨
女子15-18歳代表の杉浦愛梨(左)と益田世梨
15-18歳の部女子は、杉浦愛梨(福井・福井工大付福井高1年)と益田世梨(岡山・岡山理科大付高2年)が日本代表を手にした。ともに第1日に首位を並走しており、追走する選手に譲らなかった。強風の中を74で回った杉浦は「ピンの奥に行かないようにできた。距離感がよかった」と笑顔を見せた。2年連続の代表で、昨年は13-14歳の部で19位と不本意な成績に終わっった。年齢カテゴリーが1つ上がったが「ショットが左右に荒れることがあるので、修正していきたい。優勝を狙います」と意欲を見せた。初代表の益田は「世界ジュニアにいけてうれしい」とこちらも笑顔を見せ「前半を折り返して2位だったので、2位狙いで落ち着いて我慢してやりました」という。本番に向け「上がり下がりのない安定したプレーをしたい」と抱負を話した。
13-14歳の部男子
男子13-14歳代表の吉田京介(右)と新井龍紀
男子13-14歳代表の吉田京介(右)と新井龍紀
13-14歳の部男子では吉田京介(大分・城北中3年)が通算8オーバー152で、第1日首位に3打差3位から逆転で優勝、2015年9-10歳の部以来の日本代表となった。2打差で新井龍紀(愛知・西部中3年)が2位に粘り、初めての世界代表を手にした。吉田は「アンダーパーで回るつもりだった」とい前半インでは2バーディーを奪うなどイーブンパーで回って逆転した。最終9番では「これを入れないと世界ジュニアに行けないと思って根性で入れました」と、2メートルのパーパットを沈めた。4年ぶりの世界舞台に「世界ジュニアは3日間大会なので、強い人が勝つという印象があります。100ヤード以内の精度を高めていきたい」と話した。新井は「今日は2メートルぐらいのパーパットが5,6回入った。うまくいきました」と振り返った。兄・隆一も第1日に15-18歳の部で2位につけており、兄弟での世界舞台を目指した。兄は残念ながら4位に終わったが、弟は見事に射止めた。「今日は楽しもうと思ってたまたまパターが入っただけで、あまり自信はないです」と、表情が少し硬かった。
13-14歳の部女子
女子13-14歳代表の井ノ下愛華(右)と左奈々
女子13-14歳代表の井ノ下愛華(右)と左奈々
13-14歳の部女子は、井ノ下愛華(広島・松賀中1年)が通算10オーバー154で1位、2打差で左奈々(福岡・沖学園隆徳館中1年)が2位となり、ともに初代表となった。井ノ下は「やった、という感じでうれしいです」と笑顔を見せ「今日はアプローチがよかった。風が半端なくて、番手の上げ下げを考えてやりました」と、4番では10メートルのロングパットを沈めるなど、78にこらえた。「世界ジュニアでも優勝して、有名になりたい」と目を輝かせた。第1ラウンド首位だった左は2位を確保したものの「全体的に悪かった。自分お気のゆるみが原因で反省すべきところです」と悔し涙を浮かべた。この日はシュートパットを「ラインを読めず全部外した」と、強風下ではあったが81をたたいて井ノ下に逆転を許した。それでも、初めての世界舞台に「課題をしっかりやって、世界ジュニアで頑張りたい。飛距離を伸ばすのと、ショットの安定性です」と、準備をしていく。

 

【大会コメント】

進藤太雅(兵庫・鷹取中1年)
進藤太雅(兵庫・鷹取中1年)
◇11―12歳の部男子代表の進藤太雅(兵庫・鷹取中1年)◇
「うれしいけど今日のスコアは悪かった(81)。こんな風の中でやったことがなかった。流されないように低めで強い球を打った。世界ジュニアに行った友達(橋本拓英、2016年9-10歳の部代表)から世界ジュニアは『楽しいけどムズい』って聞いた。もっとうまくなって活躍できるようにしたい。ちょっとドキドキしています」
酒井理琴(大阪・淡路中1年)
酒井理琴(大阪・淡路中1年)
◇11-12歳の部女子代表の酒井理琴(大阪・淡路中1年)◇
「うれしいです、普通に。きょうは風の中で頑張れば70台と思ったけど、だめだった。15番で50ヤードぐらいからOKについたのはうれしかった。前回の世界ジュニア(2015年、7-8歳の部)は楽しかった。ショットの精度を高めて、パターをやって、アプローチも…だいたい全部練習していく。世界の人に通用するようなゴルフをしたい。せめて5位以内に入って、シード権は取りたい」
岡村昂汰(兵庫・峰相小5年)
岡村昂汰(兵庫・峰相小5年)
◇9―10歳の部男子代表の岡村昂汰(兵庫・峰相小5年)◇
「今日はアプローチもパターも全然よくなかったけど、ドライバーがよかったから。アメリカに行くのが楽しみ。外国に行ける。パターとアプローチを練習して、世界ジュニアでいいスコアを出したい。10位以内を狙う」
後藤あい(兵庫・甲南小5年)
後藤あい(兵庫・甲南小5年)
◇9-10歳の部女子代表の後藤あい(兵庫・甲南小5年)◇
「今日はパープレーぐらいを目標にしたけど、風の計算をしないといけなくて、アゲンストの時に距離が足りなかったりした。ひょうが降っているときにやったこともある。アメリカに初めていくけど、世界一になれるように頑張る。アプローチとパターを練習して、ドライバーの飛距離もアップしたい」
山本昂生(福岡・筑紫東小3年)
山本昂生(福岡・筑紫東小3年)
◇7―8歳の部男子代表の山本昂生(福岡・筑紫東小3年)◇
「強風の中で自分ではいいスコア(77)だった。アメリカに行けて、けっこう光栄です。僕の夢は世界ランク1位になること。世界ジュニアで1位になりたい。コースの距離が長いと思うので、全部のクラブを練習する」
飯田柚月(千葉・金杉台小3年)
飯田柚月(千葉・金杉台小3年)
◇7-8歳の部女子代表の飯田柚月(千葉・金杉台小3年)◇
「今日は風で50ヤードとか、60ヤードとかが難しかった。風に負けないで振り切った。決勝大会で初めてトロフィーをもらえてうれしい。世界ジュニアでは、50~60ヤードをピタッと寄せて、バーディーをハーフで3つずつ取る。そのために、ドライバーやフェアウエーウッドを練習する」

※所属は進学校、新学年で表記しています